kurosuke40 さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
組織の調整役から組織の長へ
原作未読
組織の調整役だったモモンガが組織の長として立ち回っていく物語で、
長としての充実感と寂寥感ってのが印象に残ったかな。
他のネトゲ俺TUEEE系アニメと違うところは、モモンガは(現状知る限りでは)一人でネトゲに閉じ込められてしまったことと、かつて栄華を極めた組織に強く心入れしていること、そしてもはや人がおらず組織として体をなしてなかった組織にNPCが人員として加わり組織が微復活したこと。
これらの要因から、彼はただの調整役から組織の頭として行動せざるを得なくなる。もし他にカリスマ性のある人物が同時に閉じ込められていたら、きっと彼は調整役のままだったでしょうね。人員もNPCだけしかいないのでモモンガが導かねばならない。でも、組織の頭として行動していくうちに、彼がかつての調整役よりも頭として組織に対して関わりをもっていくことに充実感を感じていく。そんな組織の長としての責任感と充足感をもって行動しているモモンガが心地良い物語でした。また彼が責任感を持てるのは、最後まで見捨てなかったという理由もあって、忠誠深い部下たちがいるからこそでもあるのでしょうね。
半面、長だからこその彼の寂しさもある。回想を見る限りモモンガは調整役としても有能そうで、またNPCたちのやり取りにかつての仲間のやり取りを思い出すあたり、ああいうくだらないやり取りをする平和な時間が、人が大好きなんでしょうね。最終話、モモンガはそういう場面に招かれる。叱ってやってくださいな、と。でも、モモンガは長という役割だからくだらないやり取りはあの場面ではできないのですよ。本当は自分がああいうやり取りに関わりたいはずなのに。心中、その寂寥感たるや。
スター○ォーズのダース○イダー卿を「現場に来て問題解決する上司」という見方がありますが、モモンガはまさにそんな感じですね。
ネトゲ俺TUEEE系に見られる、無双爽快感と世界の謎解きの面白さもあるので普通に面白かったです。最後の戦いは少年漫画っぽくワクワクしました。
題名のオーバーロードってなんだろうと思ったら、モモンガの種族?の名前らしく、オーバーロードとは「魔法使いが究極の魔法を求めアンデッドとなった存在の最上位」らしい。
この物語の発端は、組織を捨てられない調整役が起こした究極の魔法なのかもしれませんね。
追記:クレマンティーヌの声優さん、最高でした。ぞくぞく来る。