oneandonly さんの感想・評価
2.6
物語 : 2.5
作画 : 2.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 2.0
状態:観終わった
ここまでは我慢の22話でした。
世界観:4
ストーリー:4
リアリティ:2
キャラクター:3
情感:6
合計:19
進学校に通う高校3年生の岡崎朋也は、無気力な毎日を送っている。毎日同じことの繰り返し。
周りのみんなのように学校生活を楽しむこともできず、毎日遅刻ばかり。
そのためか、校内では浮いた存在になっていた。ある日、朋也は学校まで続く坂道の下で、一人の少女と出会う。
(公式HPより)
サムネイルのキャラデザにまず抵抗があって、学園+恋愛というジャンルのようなので避けてきましたが、目下コンプリートを目指しているあにこれトップ20にアフターストーリー(第二期)があるため、視聴することにしました。
第一期の作品自体もあにこれで上位にランクインしていますので、ファンの多い作品だと思います。結局、第一期では最後までほとんど評価が上がらなかったので、レビューの内容も辛口となっております。ネタバレで書きますので、ファンの方はスルーして頂いて結構です。
{netabare}Angel Beats!のKey原作、京都アニメーションが制作会社ということで、キャラデザがアレなだけで内容は良いはず、という想像で視聴を開始しました。最近の京アニの作画が素晴らしいので、これが2007秋~2008冬の作品ということに驚きました。やはり、今のクールジャパンアニメの分水嶺は2010年頃なのかな、と思います。
私はエヴァンゲリオンあたりでアニメを一度見なくなっているのですが、その頃、自分が到底好きになれないと想像した世界が、この作品に具現化されています。
簡単に言えば、主人公は大した貫禄もないのに不良という設定で、男友達は変な奴が1人。周りには女の子ばかり集まり、なぜだか主人公に好意を寄せるハーレム展開で、そのほとんどが現実にはいそうもない変わり者である(だから感情移入できず、感動もできない)と。安いギャルゲーです。
(…と、調べたら元々ギャルゲーなんですね。どうりで、展開が風子編→琴美編のように話が進んでいくと思いました。)
「NHKにようこそ」を見て、非現実を求める所謂アニメファンのニーズは理解できたものの、私はリアリティのあるほうが好きなので、ハードルが高かったです。記録までに、気になった点を列挙していきます。
・風子は実体があるのかないのか不明(物理現象との整合性)。学校で生活…がっこうぐらしか!?
・風子が姉の結婚式に来てくれる人を探していて、それが良いことのように思われているが、縁のない人の結婚式には、呼ばれる側、来てもらう側、双方のことを考えていない(結果的には学校で行われたため、結果オーライに見えたが…学校で結婚式は可能なのか?)。
・木彫りのヒトデ、彫刻刀であれだけ掘るのはかなり大変だし時間がかかる。大量に出てくるけど、木材の原型を見た記憶がない。
・琴美が奇天烈すぎる。
・朋也がなぜ琴美のことを忘れているのかが不可解。あんな変な子忘れるわけないと思うのだが。
・熊のぬいぐるみがスーツケースごと人から人へ、というのもリアリティがない。
・渚が演劇部を作ろうと思った理由がわからない。演劇見たことない発言にはこちらもぶっとびだった。父親がプロ目指していたのが理由だとしているのであればおかしいよ。
・文化祭の舞台で、最後に皆から拍手喝采となった展開が不可解。突然泣き出して、家族や友達から励まされるような状態からなぜ?
・朋也はなぜ面倒見が良いのか。奉仕部員なのか?
・感動させようとしているシーンはあるが、キャラに入れなかったのと、組み立ても甘いので強引な印象。
これらがあって、3話視聴後の初採点が20点(あにこれ2.7点相当)となり、その後、リアリティの1点減点、情感の2点加点で、最終的に+1点で終了となりました。正直、アフターストーリーを見るという目標がなければ、中断していたと思います。
渚編の終盤、渚が、両親が自分を育てるために夢を諦めたとして落ち込むシーンがありました。ここは落ち込む必要がないことを伝えたいと思いました。子供を育てることは親の責任であり、子供の成長が親の楽しみであり、親の人生を価値あるものにしてくれるものだと思うので。
夢を追うことは人生を豊かにするし、できるだけ続けるべきだけど、才能や運、現実の壁にぶちあたるのが普通であって、抜け出せないのが辛いという人もいると思います。他に大事なことがあれば潮時ということもあるのです。子供の育児を優先するという選択をしたのであれば、親が一番納得しているものですし、むしろ解放されて楽になっているかもしれません。
この作品ではオヤジさんが渚に、自分の夢を子に託したというような台詞を言っていましたが、自分だったらそのような背負わせるようなことは言えないです。元気に成長し、周りの人を大切にし、自分がやりたいことをやりたいだけやってもらえればと思うのみです。
1点、良かったと思うのは、ロボットと少女しかいない世界の描写が綺麗で、印象的だったこと。このあたりがアフターストーリーでリンクしてくれば面白くなるかもしれません。{/netabare}
ここまでの単品評価は凡作となりますが、アフター次第という可能性もあるので、引き続き期待せずに見ていきます。
(2017.5調整→2.6)