なる@c さんの感想・評価
3.1
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 2.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
どこに自己投影する?
衝撃の1話から日にちが経った。
後半で、ハルタがチカと同じく、草壁先生に想いを寄せていることを知る。
ハルタ「恋も部活も真剣なんだ。男だからって負けないよ」
放送前、原作未読組の誰もが、このアニメはハルタとチカが吹奏楽を通して恋する青春アニメと思っていたことだろう。P.A WORKS作品であることも、その予想のオッズを限りなく1倍に近づけている。そしてこの展開。
この1話で視聴を打ち切ったという敏感な方も多いと思うが、それはハルタに自己投影してチカとの擬似恋愛を楽しもうとしていた方なのではないか。
筆者は当初はハルタに自己投影していたが、2話以降は2人の恋愛対象でもある草壁先生に自己投影し始めた。すると、部活動に、日常に潜む謎に、全力で挑む2人の新入生がとても可愛らしく思えるようになった。先生がいる時、少し姿勢を正して、頬を染めて、先生を下から見上げる2人のカットなど、特に。もちろん、草壁先生は自分に恋愛感情を持っているなどとは思っていないだろう。生徒と教師で全力で部活動と向き合う。そして、そこで生まれる感情がある。立派な青春の形だと思った。
この作品には目標が二つある。
一つ目は、チカ(ハルタ)の目標である、草壁先生に想いを打ち明け、結ばれること。
二つ目は、数人しかいない吹奏楽部で、吹奏楽の甲子園である普門館に出場すること。
通常ならば、念願の普門館出場を果たしたその帰りに告白をするという流れになるだろう。そして、草壁先生から何らかのレスポンスをもらう。しかし、ことはそう簡単なことでもないようだ。なぜなら、6話まで放映したというのに吹奏楽部は規定の人数の半数にも届いていない。6話までの流れだと、一話ごとに部員候補を一人一人説得して引き入れるというのが定石となっている。それでは1クールの間に終わらない。
公式サイトの書籍情報によると、
#2 クロスキューブ #3 退出ゲーム #5 エレファンツブレス
は原作小説の1巻『退出ゲーム』、
#4 ヴァナキュラー・モダニズム
は3巻『空想オルガン』、
#6 スプリングラフィ
は2巻『初恋ソムリエ』
からのアニメ化となっている。
どうやらある程度時系列を入れ替えているようだ。
この巻数での時系列の入れ替えができるのであれば、原作の3巻でも大会には出ていないのだろう。おそらく、この作品では大会に出ることはない。推理と恋愛を絡めたドラマを楽しむ作品になるのではないか。もちろん吹奏楽が全く関わらないとは思わないが。
※あくまで予想です
1話完結が多く、作品として見た場合にまとまりがないイメージにならないか不安ではある。そして、このクールの締めはどんな話で終わるのか。大会に出ずにおれたたエンドになるのなら、推理以外に先生との絡みももう少しあっていいと思うのだが、原作付きなのでムリを言ってはいけない。