「パプリカ(アニメ映画)」

総合得点
72.1
感想・評価
839
棚に入れた
3976
ランキング
1223
★★★★☆ 4.0 (839)
物語
3.8
作画
4.3
声優
3.9
音楽
4.0
キャラ
3.8

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ネタバレ

ノリノリメガネ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

これぞ今敏監督の本領

今敏監督作品を観ると、本当にアニメ界は惜しい人を亡くしたなと思ってしまいます。それくらい才能にあふれた監督だと私は思います。
{netabare}
作品の基礎部分に精神科分野や心理学を取り扱うところがツボで、今回のパプリカもその流れを汲んだ作品と言えます。
「夢」をテーマに、荘子の「胡蝶の夢」やフロイトによる「夢判断」に着想を得た作品かと思います。

DCミニという機械を使って、夢に入り込み、患者の治療を施すパプリカ(敦子)。そのDCミニが何者かに盗まれ、他人の夢同士が混ざり合い最後には現実を侵食し始めるという展開。
「妄想代理人」でもそうでしたが、リアルとファンタジーがごちゃまぜになっていく表現が特徴的だし、そこが個人的に気に入っている部分でもあります。

島所長がはじめに発狂するシーンを初めて見たときの衝撃は今でも忘れません。その他演出も光っています。「夢」を取り扱っているため、自由で目まぐるしく場面が移り変わる映像表現が視聴するものを引き込んでいきます。

キャラクターもそれぞれ個性を放っています。パプリカはかわいいし、粉川警部がトラウマを克服するのはかっこいいし、小山内の嫉妬や歪んだ愛情もうまく表現されていました。声優も豪華。
おなじみ平沢進氏の音楽も作品の狂気とマッチしています。OPもオシャレ。
作画も素晴らしい。

ラスト、赤ん坊が夢を飲み込む演出も最高にかっこいいです。確かに子供は夢を取り込んで、夢と現実を統合させながら大人になっていきますよね。

悪いところが見当たらない完成された作品だと思います。今敏監督のような作品がその後出てこないところを見ると、やはり今敏監督は希代の才能の持ち主だったのかなと思います。願わくばもっともっと多くの作品に触れたかったです。
{/netabare}

投稿 : 2016/02/06
閲覧 : 275
サンキュー:

7

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