coldikaros さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
凄い気になってた。
この作品の作家さんである田中ロミオさんは、以前レビューした「sola-そら-」の作家さんである久弥直樹さんと並んで好きな作家さんの一人です。
この作家さんを好きになったのは、「最果てのイマ」からですが、この人の描いた作品のほとんどにあるのが、時系列の入れ替えとループです。
使う時はしつこいぐらい連続させるんですが、アニメということでそこらへんは軽くしてありますね。この形の作品ならとんでもないことが出来ると思うんですが^^;
まぁ作品の中身は、地球から人類が衰退し減少していくなか、妖精さんという新種族が高い技術力を持って繁栄している世の中。そんな中で主人公は妖精さんと人間との橋渡しをする仕事をし、様々なことを体験するってものです。
まず、特徴的なところは主人公に名前がないところです。少なくともこのアニメの最中には主人公の名前は一度も出てきません。というか、登場人物の誰も本名では呼ばれません。
この人の作品はどうも鉄を舐めた時のような無機質なイメージを持つことが多いです。大体無機質な中にあるたった一つの暖かさに希望を見出すような、そんな作品を作っていると感じていました。
そんな中やはり、登場人物に名前がないことと、物語自体の異常な淡白さで無機質さを感じましたが、絵のタッチとキャラクターの愛らしさで中和され終始不思議な感覚で眺めていました。
12話の中でもいくつかのお話に分かれているのですが、そのお話の最後には必ずちょっとした暖かさが感じられるようになっていて、ただシュールなだけではない作品になっています。
過去の思い入れから熱量が他のアニメとは違いますが、お話としてよく練られたものだというのは間違いないです。