にゃっき♪ さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
Friendships, Secrets and Lies
序盤は毎回主人公が変わるような印象の、池袋を舞台にした群像劇です。
ほとんど毎回、違う人物の視点から眺めていますし、時間軸のバラツキもあって、妙に不安で落ち着きませんが、退屈する事なく完走出来ました。もっとも黄巾賊やダラーズといった少年たちのカラーギャングのグループ抗争など、話のスケールは大したことがないですし、首なしライダーや妖刀の罪歌のような非現実なオカルト要素も混入しているので、人を選ぶ作品かもしれません。
メインの主人公の竜ヶ峰帝人(りゅうがみねみかど)は小学校時代の友人の紀田正臣(きだまさおみ)に誘われて、上京した高校生。クラスメートの園原杏里(そのはらあんり)も含め、三人は普通の高校生のように親交を深めていきますが、実は三人ともそれぞれが、年齢を考えるとあまりにも痛々しい秘密を抱えています。他にも、インパクトのある登場人物がたくさん登場しますが、話が進むにつれて、それぞれが思いもよらない形で関っていたのが明らかになっていくのは、物語としてよく練られていたと思います。
ネットでのお互いに名前も顔もわからない繋がりが、リアルにも反映しているネット社会の描き方なども興味深く、モノローグが多いのは気になりましたが、周到に準備された伏線が、後半になって次々と回収されていくのは爽快で素晴らしかったと思います。最初は正体がわからない匿名チャットではキャラの本音が聞けるので、匿名チャットの正体がわかってからもう一度見直すといいかもしれません。
個人的にはサイア人のように怪力の人間離れしたキャラや、もはや人間でないキャラの人間味溢れる一面が心に残りました。