蟹チャーハン さんの感想・評価
3.7
物語 : 4.0
作画 : 3.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
前門のベータに後門のシュタージ。前作見たなら結末が見えて・・・
4話まで視聴して、ようやく本作品らしい悲壮感に満ちたストーリーになってきました! 前門のベータに後門のシュータジ。いったい誰のために戦い、命を懸けているのかわからなくなります。この混沌さがいい。
謎の生命体ベータの出現により、人類は圧倒的劣勢、不利に陥ります。なにしろ数が多く、地中や海中から突如現れるために各国政府は翻弄され、最初に襲撃された欧州はあっという間に半分の領土を失う結果に。
人類も人型戦術機ロボを開発して対抗しますが、それにしては機体も少なければパイロットも足らず、それは戦争末期の日本のイメージとも重なります。
本作の舞台は、ベータに蹂躙され続け、ついに首都ベルリンの陥落も考えられている東ドイツになります。あちらこちらでベータの出現が確認され、その都度出撃するのですが、どうにも胸騒ぎがおさまらない不安がひとつ。それが国家秘密警察のシュタージの存在です。
旧ソ連のKGBと同じく、諜報戦を得意とし、国家の反逆者を炙り出すのを生き甲斐とするゲスの集団。やっかいなのは、ゆがんだ国家への愛情と超エリート意識にこりかたまっていることか。
反政府的な動きがないか密告を奨励して目を光らせ、怪しいと思えば罠にかけて投獄し拷問もする。人の命をなんとも思わない組織、それが本当に実在していたというのが人の歴史のおそろしいところですね。
なんとか祖国を救いたいと願う一方、チームの仲間に裏切り者がいないかと不安に怯える日々。頼りになるはずの軍上層部もシュタージの前では言いなりで、目をつけられた将校はあっさり粛清される始末。。。こんな状態で死地へと赴く主人公たちの気持ちを思えば辛すぎます。
てか、前作を一通り視聴している方ならご存知の通り、欧州は○○になってしまうのがわかっているだけに、彼らが必死の思いで戦う姿が余計に胸が痛い。作品を見終えたとき、自分もですが、彼らにいったい何が残されているのか。そこだけが気になります。
ちなみにシュータジ関連を描いた映画(洋画)はたくさんあります。
『グッバイ、レーニン』と『善き人のためのソナタ』はおすすめです。機会があればどうぞ♪
あ、そうそう。OPEDともにお気に入りです。特にEDは雰囲気あるなぁ~。
追記
個人的にですが、このアニメが無駄に人が死んでいくだけの作品だとは思っていません。ベータという怪物をほかの何かに置き換えてみればイメージも変わると思います。国家にしろ自由にしろ、それがたとえ誤りであったとしても、何かしら信じて殉ずる尊さは尊重したいですね。
逆にギルティクラウンのような個人的な死の恐怖だけを理由に親しい人々に嘘をつき殺め、みんなで笑っているような作品が評価されるのが不思議だし、ヨルムンガンドのような70万人死ぬだけで世界が平和になるならお得だと言い切るような殺戮者の作品が評価されるのも不思議です。
<見終えて一言>
内ゲバ特化。それもシリーズの特徴だけど、
今作はベータ関係なくなっちゃいましたね・・・
{netabare}
最終回までバトルはよく動くし迫力あるしで楽しめました。
ただ、シュタージとの対立軸が中心になるのはわかっていたけど、
ベータの大群がベルリンの近くに迫ってきているハズで、
んなことしてる余裕あるの? とも。
中盤からは対ベータというより、妹ちゃんの裏切りであるとか、
シュタージによる仲間の拘束から救出だなんだで尺を使い切って、
完全に内ゲバにクローズアップしすぎてベータさんたちが
忘れられてましたw
もう書いていいと思うんですが、この10数年後を舞台
にした前作では、すでにヨーロッパがベータの手に落ちてます。
つまり、欧州はもうないという設定です。
ここでベータを撃退しても意味がないんで、救えない東ドイツ
を舞台にどう収拾つけるのかと思ってましたが~。
グレンデルにアイリスフィーナ、自分好みの美女たちが
ベータにではなく、同じ国民の手によって命を絶ったのが悔しいです。
まぁ、ベータさんにボリボリかじられて死ぬのを見るのは
もっと嫌なんですが・・・。
できれば、登場したキャラはみんな一命をとりとめてもらって、
最高のハッピーエンドを迎えるのだけど~
その後666チームは各地に散らばり、それぞれが西側の
対ベータ戦線で戦っているみたいな設定にして
最後の最後、○○年、○○の戦場で死亡
とかが顔写真とともに延々流れてくれる方が
雰囲気でたかなぁ~とも。
{/netabare}