退会済のユーザー さんの感想・評価
4.9
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
予備知識なしで観るべきなのですが
批判的な感想を述べられる方はネットで有名だから観てみたけれども
「ヒロインが時間巻き戻しで生き返って終った、ご都合主義でお涙頂戴アニメ」と誤解している方が多いように思います。
残念です。
この作品は平行世界を行き来するシナリオゲームが題材ですが、それを逆手に取った構成がされています。トゥルーエンドは「22話」「16~21話」はバッドエンドであり21話と22話の世界につながりはありません。
ヒロイン渚と汐はなぜ助かったのか?
アニメでは説明不足な部分でした。
アニメ各話のタイトル画面で光の珠が表示されていますが、これは登場人物たちの願いが叶った時に増えていきます。登場人物の光は世界で一つしか手に入りません
。つまり主人公岡崎朋也は平行世界を行き来きして何度も人生をリセットして光を集めているのです。
そして、幻想世界で見える光は町の人々の願いを表現しています。
集まった光の力(人々の願いの結晶)の奇跡で少女達は助かります。
渚と汐は町とつながったファンタジックな存在なんですよね。
ゲームでは人々の願いを叶える時間が果てしなく長く、プレイ時間数百時間でのご褒美のようなエンドでしたからご都合主義と感じませんでした。
そもそもループゲーが原作ですから
何週も再プレイする事を前提としたゲームという媒体でこそ達成感があり、大きな感動へと結びつきますがアニメ媒体ですとそういった苦労もありませんから原作未プレイの視聴者ほど受け取り方が難しくなるかも知れません。
アニメ向きでない題材の原作であったと正直思います。
麻枝さんはシナリオを歌詞の感覚で書かれる程、音楽を重視されますので
ゲームもBGMが効果的演出として使われましがた、そこに声優さんの真に迫る演技と作画が加わったアニメでは神がかっていました。
個人的に最も思い入れがあるのは18話です。
渚を失った悲しみから惰性で生きるようになった朋也。
5年もの間、生まれた時からずっと見放され、何の愛も受けれず・・・
それでもパパと一緒がいいと想い続けていた汐。
泣いてもいいのは、おトイレか、パパの胸だけという教えをずっと守って寂しくても涙をこらえてきた少女。
やっとパパの腕に抱かれ・・・我慢しきれなくなり堰をきったように朋也の胸で汐は泣き続けます。
そして過去と決別し汐のために生きる決意を固める朋也の姿が感動的でした。
この作品で重要な設定についての説明不足は否めませんし、平行世界の描写が良くできていたとは消して思いません。
しかし不足要素をありあまる魅力があり、完成度が非常に高い名作であると
私は思います。
何度視聴しても、そのたびに優しい感動に包まれます。