退会済のユーザー さんの感想・評価
4.8
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
大人が楽しめるに嘘偽りなしです
原作:士郎正宗、監督:神山健治 全26話
近未来の日本を描いたアニメは数ありますが、ここまで緻密な未来像を設計し、更にその世界でここまでの重厚なストーリーを展開した作品を自分は他に知りません。近未来作品として娯楽作品としてにとどまらないのが名作たる所以でしょう。本作品には妥協が見受けられません。
設定、シナリオ、演出そべての分野でここまで拘るのか!作品への執念を感じずにはいられません。製作者に賛辞と最大級の労いを送りたい作品です。
あらすじ
近未来の日本を舞台に、事件解決に奔走する公安9課の活躍を描く
公安9課とは、肉体のサイボーグ化、脳を直接ネットワークに接続する電脳化技術が一般的になった日本で、政府の依頼であるいは独自判断でさまざまな事件に関わり対処する治安維持組織であり、格闘戦・情報戦に長けたプロ集団であります。荒巻課長の「われわれの間にはチームプレーなどという都合のよい言い訳は存在せん。あるとすれば、スタンドプレーから生じるチームワークだけだ。」(第5話)この台詞が物語るようにスタンドプレーできる能力をもった登場人物は最高にクールで痺れます。
ストーリーは、前半から中盤にかけては一話完結の事件がメインですが、全編を通して「笑い男事件」とよばれる難事件が軸として存在します。
未来社会について過剰な説明描写はなく、社会問題や政治背景をもった事件が扱われるため、今作を視聴する場合相当な集中力が求められます。
しかし、食い入るように視聴したからこそ視聴後の充足感にもつながっているのでしょう。
全話、相当緻密なストーリーで全編を通して高次元なのですが、「笑い男事件」の本編となる20話以降は、戦慄の出来栄えで未来世界にドップリ引き込まれてしまいます。情けないことにこの凄さを表現する言葉が思い当たりません。
各所で紹介される「大人でも楽しめるアニメ」ですが、大概20代前半位までを指している気がします。
本作に限っては問題なく「大人」が楽しめる作品です。