蒼い✨️ さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
青春のきらめき。
【概要】
アニメーション制作:京都アニメーション
2015年4月8日 - 7月1日に放映された、全13話のTVアニメの番外編にあたるOVA。
原作は、宝島社文庫から刊行されている武田綾乃による小説。
監督は、石原立也。
【あらすじ】
北宇治高校の吹奏楽部の部員は65名。コンクールは55人編成で、
オーディションで選ばれなかったので演奏できない10人は「チームもなか」を名乗り、
コンクールメンバーをサポートすることになった。
これは、京都府大会に出場する北宇治高校吹奏楽部の、裏方10人の物語。
【感想】
今回の絵コンテと演出の担当は小川太一氏で、届けたいメロディの監督、ユーフォ3の副監督に、
ヴァイオレットで有名な第10話を作った人でもあり、京アニの主力として頭角を現した人。
ユーフォシリーズは膨大な登場人物がいて、それぞれの感情と行動がつながっている物語。
あのときあの人はどう思って行動したのかを想像をする理解力・国語力が求められてるような。
本編の12話~13話(最終回)のバックストーリーであり、本編では主人公の久美子の心の変化や、
麗奈や香織先輩らコンクールの出場メンバーの競争などがメインだったのに対し、
かけだすモナカではオーディション落選組10人の視点で描かれています。
後の物語でクローズアップされた加部友恵・釜屋つばめ等が「チームもなか」にいますが、
とりわけ、北宇治カルテットの加藤葉月が今回の主役。
いつも元気なムードメーカーの葉月ですが、秀一相手の失恋が本編で既にあり、
その秀一と恋人関係ではないが、距離が近くて意識し合う幼馴染なのが久美子で、
その久美子と気まずくなるのは避けたいと久美子には素の顔を絶対見せない葉月が、
片思い相手の秀一と恋愛相談相手の緑輝(サファイア)にだけは、乙女の顔を見せたりする。
今回の葉月の行動が最高に健気で可愛かったりします。
確固たる作画と演出の技術に支えられた感情表現の瑞々しさが美しく、
青春へのあこがれを鮮烈に感じさせてくれる。
今回の後半で、部員(田邊名来)の忘れ物のマレットを持って疾走する葉月。
彼女の目に映る景色や人は、生命ある世界の喜びに満ちています。
やはり、京アニ作品の中心にあるのは『人』の表現能力にあり、
『人』の魅力に支えられている創作姿勢。
ネットでも京アニ愛が強い人ほどキャラクターへの思いや考察を中心に発言しているのを見るにつけ、
会社の戦略に基づいて作られた作品とファンの需要が見事に合致していると思いました。
これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。