明日は明日の風 さんの感想・評価
4.3
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
虎と竜の物語
1話、竜児のナレーションでこの先どんな展開で進むのか示唆していました。恋+青春物語の基本みたいなアニメで、本当に中身のある、いい話にまとまっていたと思います。
どのストーリーもキャラの感情に入ってしまって、終わった後にぽっかりと穴が空いたような感覚を覚えました。
{netabare}プールでの「竜児は私のものだぁ!!」は大河の気持ちが伝わるいいシーンです。
文化祭での竜児とみのりんとの確執、大河の父親への思いと絶望感、解決のため必死になる竜二、後夜祭。この後の写真選びで実は竜児とのツーショット写真を選んでいて大切にしていたとことが最終回で明らかになります。
クリスマス前後、交錯する思いの中、とうとう本当の気持ちに気付いた大河の号泣シーンは切ないです。その後の友人と好きな人との間で必死に思いを隠す大河がまたいじらしい…
修学旅行の話ではアニメではあまり見ない、女の子同士の取っ組み合い(大河と会長のタイマンより印象深い)。そして大河の本当の気持ちに気付いた竜児の戸惑い。
バレンタインの告白と駆け落ち、親子の邂逅、そして互いの気持ちを確認しての別れ…卒業式…{/netabare}詰まりに詰まった話が何の違和感もなく、1つの作品として仕上がっています。等身大でありながら、やっぱりアニメでないと表現できないところが良いです。
みのりんとあみをはじめ、周りの人たちがこの二人の物語にどんどん突っ込んで、話をややこしく(面白く)していきます。それぞれのキャラにもちゃんと物語があり、誰が誰を思い、何を悩んで過ごしているのかが分かるのも作品に引き込ませる要因になっていると思います。
物語後半の切なくて、でも暖かくて、恋とか友情とか、本当に青春っていいよな…と、ちょっと昔を思い出してしまいました。
DVD最終巻のパッケージ、二人が手を繋いだイラストがこの作品を締めていると思います。本当にいい絵です。ちょっと照れてる竜児に微笑んでいる大河。特に大河の、作中でも見せたことがないような幸せで、安心した表情にこの作品のすべてが詰まっている感じがしました。
あとはヒロインの3人がよかったです。それぞれのキャラの個性、イメージと声がぴったりです。特に大河は…釘宮さんにやられました。釘宮病です(笑)
青春を感じたい人はぜひ見てほしい、本当に本当にいい作品です。