coldikaros さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
昔の富野作品っぽい
まぁはっきり言ってしまうと、ストーリーとして面白くはない作品なんですが、なんか見ていると昔の富野作品を思い出しましたね^^;
イデオンとかブレンパワードとか、あの時感じた「俺は描くだけ描いたから、後は想像しろ。」っていう感覚を凄い感じました。
内容はというと、主人公のいる地球にある日「Gーセルフ」と呼ばれるマシンと不思議な女の子が現れる。そこに宇宙海賊がマシンを奪いにきたところから始まり、それまで禁忌だった宇宙への扉が開かれるって話です。
これだけ見れば面白そうなんですが、26話の構成にしては人物と展開が多すぎるということと、主人公のベルリが昔のアニメの主人公のように人間的な感覚が欠落したようなキャラになっていて、見ていて感情や目的が全く読み取れず、なにがなんだかわからなくなっています。
地球からどんどん戦う場所が変わっていって、人物も増えて対立関係もどんどん増えて説明は薄い。そりゃぱっと見さっぱりですよ。
一々関係性を考えながら見ないと、最後らへんはもうわからなくなっていると思います。
戦闘シーンは相変わらず素晴らしいと思いましたし、セリフ回しも富野節が多量に入っていて、そこは面白いとは思えたんですが。
富野監督は若い人に見せるという気があったのか凄く疑問です。昔のように監督の傲慢が通るような時代ではなくなっているのに、それを全く把握せず、かつ50話でやるような要素の多さの作品を26話に入れ込んだというのは、失敗も失敗でしょう。
おそらくこの作品で描きたかったものである、人間が作った社会である以上どこまで行ってもそこにいるのは人間以外の何者でもない、というのはテーマとして素晴らしいと思うので、どこかでまた描いて欲しいですね。