セメント さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
どこまでもどこまでも一緒に行こう
うん、僕だってそうだ
原作・宮沢賢治とOPのテロップに出てくるのは圧倒されますね。
国語の教科書にも出てくるような有名な作品のアニメ化です。
汽車に捉われた鳥捕り、キリスト教徒の三人を通して想起させる"ほんとうの幸"、とりわけ最後の、銀河鉄道の旅の意味を悟ったジョバンニが悲しみに暮れたあと牛乳を持って駆け出すシーンが象徴的でした。
カムパネルラとお別れするシーンは不覚にも涙しました、大作だけあってやっぱ見ると感動しますね。
宮沢賢治作品は何故か登場人物が猫として描かれることが多い訳ですが、本作もその一つですね。
漫画版も全員猫で描かれていて、ただアニメ版だと猫で描かれてない登場人物もいます。
キリスト教徒の三人がそうです、彼らの背景にはタイタニック号の沈没がモチーフとされているようで、実在の死者です。
アニメ版はタイタニック号の犠牲者がスタッフに居たとかで配慮がなされたという形になっているのですが・・・
三人だけ、影のように現れては消える他の登場人物と違って扉から入って扉から出ていく様子がきちんと描写されているんですよね、確か。
銀河鉄道自体は幻想四次世界にあって、ジョバンニの住まう三次世界から乗車することが示唆されてますが、三次世界も御伽の世界でありそれとは異なる現実世界の存在を思わせる機能を果たしてるのではないかとも思います。
単にアニメの世界に終わらない、という意趣も孕んでいるのかーと。
まぁ分かんないです。
田中真弓さんがジョバンニの声をあてています。田中さんといえば「ワンピース」のルフィ等に代表される元気なキャラが多いんですが、本作では落ち着いて含みのあるジョバンニのイメージ、まさにそのものといった具合で感心しました。
音楽は壮大にして繊細、その場その場の雰囲気に合った楽曲ばかりでした。
ジョバンニなんかは、全身が青い猫の姿で、眉毛がなく目は見開いていて一見恐ろしいように思えるのですが、なんと愛らしいことか。
不思議なものです。
オススメのアニメ映画です。