Kuzuryujin さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
猫が縁で広がるかけがえのない仲間たち
この作品は、初めて観たとき確か2話目あたりでリタイア。
そのときは、キャラに魅力を全く感じられなかったなぁー
タイトルにある「ペットな彼女」とかで変な先入観もあった。
ありきたり浅はかなハーレムものなんだろうと誤解した。
しかしここでの評価は高い。
いろんな方のレビュー読んでみて2016年1月、視聴意欲復活。
今度は、頑張ってでも5話までは観ようと思った。
{netabare}
<初回視聴時のキャラの第一印象>
・主人公の空太は優柔不断で頼りなそうだった。
・三鷹先輩のスケコマシぶり、上井草先輩のぶっとび具合にドン引きした。
・電波さん的な、ましろというキャラも既視感たっぷりで新鮮味ゼロ。
・千石先生もズボラでいい加減そうで魅力ゼロ。
・七海は影が薄かった。
<二回目視聴時の感想>
第4話までは微妙。キャラに魅力を感じられない。
しかし、第5話「さくら荘のまじめな彼女」以降からが
俄然面白くなってきて目が離せなくなりました。
さくら荘の天才グループと凡人グループの割合、
当初3:2だったけど、七海が入寮して3:3になって
バランスが良くなったためかもしれない。
そして、空太の妹ゲスト回の第7話「彼女のきょうしゅう」は
お気に入りのエピになり…
第9話「秋の嵐がやってきた」から登場の、生身の龍之介や、
リタといった新たなキャラの参入で人間模様がより色鮮やかに。
学園祭で一丸となって、紆余曲折を経ながらも、ものづくりで
大いなる実績を残せた彼らが非常にうらやましかったなぁ、
第15話「いつもの自分はどこにいる?」、福岡帰省話も好き。
風呂場での父と子のコミュニケーションがとても微笑ましかった。
最終回直前の23話では、感動してウルッと。
始めは頼りないとしか思えなかった空太も
最終回では人間的にもいい感じに成長してました。
ましろのボケと空太のツッコミは回を追うごとに冴えわたり、
いつの間にか笑いのツボを全く外さなくなりました。
空太たちは努力が実りがたく挫折も多い。
一見、運に見放されたかのよう。
しかし最後まで観ると、
実は挫折も失敗もすべては天の恵みでしたね。
ここで登場する猫たち、福を呼ぶ招き猫だったのかもしれません。
捨て猫たちに出会わなかったら空太はさくら荘に入ることも
得難い仲間に出会うこともなかったのですから。
七海だって、空太に猫の飼い主探しに協力する中で信愛が深まった。
そしてそんな空太がいなかったら、さくら荘に入ることもなかった。
また、猫たちは要所でムードメーカーとしていい仕事してました。
ましろの描いたさくら荘の絵画、最後の最後は全員もれなく描画。
しかし、病欠写真のような空太の妹、そしてそこから飛び出そうとする彼女。
画が動いて、彼女が皆の輪に強引に割り込もうとする演出が最高です。
{/netabare}
結論としては、最後まで観て非常によかったです。
きっと時間が経つとまた観たくなると思います。
ラブコメというより、青春群像劇だったと思います。
派手さはないけど地に足が着いた物語でしたね。
中盤からは、キャラ達、特に空太と七海に感情移入しまくりました。
おかげで物語の中で、青春の貴重な、かけがえのない時間を
キャラと同じ視点で疑似体験できた。
こんな青春時代があったら最高だと思います。
いしづかあつこ監督とシリーズ構成:岡田麿里さんのコンビ。
母親が我が子を慈愛の眼差しで見守るような
女性らしい細やかな情緒あふれた作品でした。
観終わって、
キャラとしては、メイドちゃんが一番のお気に入りです。
ヒロインでは、ましろより七海が好き。
空太の父、母、妹も地味に好き。
最終回以降の物語も知りたい。
完結もしてるようだし原作を読んでみたくなりました。