RFC さんの感想・評価
4.6
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
斬新な分野のファンタジー
某動画サイトで
「チェーンソーで大木から木彫りの像を切り出す」
という動画をいくつかアップされている
ジェイソンさんという方がいらっしゃったのですが、
その方の作品の中に「ホロを彫る!」というのが
ありまして、それが狼と香辛料と出会うきっかけとなりました。
当初狼と香辛料という何の関連性があるのか
わからないタイトルに当時「???」と思ったものです。
ネット上で散見されたホロの画像はとても可愛いのですが、
耳としっぽが付いているので「猫耳萌え系か?」
といぶかしんでいました。
キャッチコピーが「剣も魔法もないファンタジー」
だったような気がしましたが、それに後押しされて
思いきって視聴してみようと思いました。
観はじめると一気に引きこまれました。
事象に「何故?」を求める人にはお勧めです。
【作品概略】
商売・経済をテーマとしたアニメというのは非常に
珍しいんではないでしょうか?偶然当時私も、
それまで無縁だった経済について
ちょっと勉強する機会があったので、
余計に興味を持ちました。
舞台は中世ヨーロッパあたりをイメージして頂ければよいかと。
現代と異なり、輸送手段も情報収集も困難な時代の商売。
商人の一般的な生涯プランは行商から始め、自分の店を
持つことが最終目標となるようです。
トルネコを思い出しました(笑
主人公のロレンスは地元ではそこそこ名は通っていますが、
まだまだ自分の店を持つには至らない行商人です。
彼が地元に戻った際、豊穣神である狼のホロと
出会うところからストーリーは始まります。
【作品に対する感想】
1)物語
行商の中で二人はトラブルや事件に巻き込まれたり、首を
突っ込んだりして本当に死ぬんじゃないかということが
次々に起こります。
現代日本がどれだけ守られた世界か思い知らされました。
そんな旅の合間、ホロとロレンスの夫婦漫才が
とても楽しませてくれます。
一点辛かったのが、私は経済に疎いので話の進行から
置いてきぼりになることが時々あったことです。
特に緊迫したシーンでは、ゆっくり説明してテンポを
落とすこともできないので、そういったことが度々
ありました。なぜそれが逆転の一手になるかが上手く
噛み砕けなかったですね。勉強不足です。
2)声優
ホロの中の人の小清水さんの演技もGJでしたね。
ホロの独特の口調は廓言葉という江戸時代の遊郭の
言葉遣いです。あとホロは狼の化身ゆえか男・女ではなく
オス・メスという言い方をします。妙に生々しいというか
エロい(下品な表現ですいません)。
ロレンスの中の人、福山さんの少し演技がかった言い回しは
コードギアスのルルーシュのようでしたね。
ホロに手玉に取られそうになると慌ててこういう
演技がかった話し方をするのが可愛かったです。
3)キャラ
①ホロについて
ホロは本当に魅力的です。
気位が高いのですが、天真爛漫で、強引で、粋で、
計算高く、食えなくて、大酒飲みで…
だからこそ甘えてる時のホロは殺人的な可愛さです。
②ロレンスについて
実力はあるようですが、まだまだ発展途上の商人のようです。
計算高さを情が邪魔して窮地に陥ることが多々ありますが、
彼の魅力は人間臭さが垣間見えるそこでしょう。
③ノーラについて
羊飼いとしての実力は1級品でありながら、いちゃもんとも
言える教会からの不遇により、暗欝とした情念が
根底にある(とロレンスが言っています)。
私は報われて欲しい精神で、こういう人にとても
肩入れしたくなります。
④マールハイト支店長について
支店長の立場を貫きとおしながら、人としてロレンスを
最大限フォローした凄腕支店長。冷静に最善の一手を
打った彼は敬意に値するかと。
4)作画
基本的に綺麗です。中世の街並みを上手く描かれているかと。
5)音楽
なお、音楽も牧歌的な雰囲気に合うものが多く、
特徴的でよかったと思います。加えてOP/ED共に作品に
合ったよいものだったかと。
特にお気に入りは以下の通り
商人と狼と、旅の荷馬車
:荷馬車で移動中によくかかってた曲ですね。
リコーダーのような音色が印象的でした。
しっぽとダンス
:無条件で楽しい気分になれる曲ですね
はしる
:曲名と同じく追われている時にかかる曲ですね。
ストリングの硬い当たりがより緊張感を増しますね。
2020/4/18追記>
いまさらですが、OST買ってみました。
アニメサイズですが、OP/EDも入ってて、お得感ありました。
バグパイプやらアイリッシュな感じがいいですね。
間違いなくお気に入りですわ。
しばらくヘビロテですね。
6)好きな名言
{netabare}
①ホロ「嘘をつくとき大事なのは内容ではなく、
なぜ嘘をつくその状況じゃ」
②ホロ「騙された時に怒っているようじゃ話になりんせん。
こんな方法もあるのかと感心してこそ一人前じゃ」
③ロレンス「後ろ髪を引いてくれないのなら、
後ろ足で砂をかけてやればいい」
{/netabare}
7)好きなシーン
{netabare}
①ミローネ商会にテンの毛皮を売るシーン
まさかリンゴをこんなところで利用するとは!
しかしホロはよく口が回る回る。
②ホロ「一人は飽いた」
唐突にホロが弱気になるシーン。
普段強気なのが突然泣き出すと威力が10倍。
{/netabare}
若い(?)オスとメスが二人で旅をしていれば恋の方も
それなりに進むもので、夫婦漫才を繰り返し、
のらりくらりとしながらも徐々に心の距離が縮まって
いっている気がします。
はやく続きが見たいと思い、そのまま2期も視聴しました。