「コンクリート・レボルティオ~超人幻想~(TVアニメ動画)」

総合得点
60.6
感想・評価
272
棚に入れた
1392
ランキング
5820
★★★★☆ 3.4 (272)
物語
3.3
作画
3.5
声優
3.4
音楽
3.4
キャラ
3.4

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ネタバレ

なる@c さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

ヒーローアニメ一位の座は、喜んで明け渡そう。

正義と悪とはなんぞや?
それを決めるのは誰なのか?

画面を通して視聴者に問うその作風は、同じクールで放送されて人気を博したヒーローアニメ『ワンパンマン』の裏で存在感を示し続けていた。このクールで両作のどちらかを視聴した方には、ぜびもう一作の視聴をおすすめしたい。

原案・脚本は會川昇。グダグダで崩壊寸前だった特撮作品『仮面ライダー剣』の後半からほとんどの脚本を請け負い、平成ライダー作品随一の名作に仕立てあげた。その他、『十二国記』や『鋼の錬金術師』のメインライターも務めている実力派だ。ちなみに、監督の水島精二は會川昇と『鋼の錬金術師』、『UN-GO』でもタッグを組んでいたコンビだ。

あらすじは公式サイトを参照のこと。

『仮面ライダー剣』では、 {netabare}もともとの雇用主であるBOARD理事長の天王路を黒幕としてその中で社員として働く剣崎の物語を描き、本来ならばラスボスであるはずのジョーカー・始を自分が新たなジョーカーとなることで救うなど、{/netabare}世の人に善悪を問う内容のストーリーを展開させた。

今作においても、 {netabare}「超人課」にて勤務する主人公が、組織としての理念や思惑に違和感を感じ、決定的な事件から「超人課」を抜け、敵対することとなる。
その際、善悪においてスポットが当てられるのは爾朗だけではなく、メインキャラ、1クールの間に数十体登場する超人達に対しても細かく描写される。一人一人考えが異なり、例えば輝子や風郎太のように感情的なキャラもいれば、アースちゃんのように無機質にただただ困っている人(たとえ金庫が開けられず困っている窃盗犯であったとしても)を助けるものもいる。データにインプットされた善悪感の中でしか動けないロボットもいる {/netabare}

さて、このアニメを語る上で多いのが「時系列がわかりづらい」という意見だ。
回想シーンに入ると白太字で「神化◯◯年◯月」とテロップがでるものの、1、2話の時点で「神化」という元号に馴染みがない視聴者は混乱したのではないか。
しかし、3話以降視聴を続けると回想のパターンが段々わかってきて、人物の思惑や人物相関図の違いを楽しむことができるようになる。
戦後20年となり、街は高度成長により活気に満ちている。「神化41年」は「S41年」という表記にもなるので、「神化」とは超人たちが住まう架空の「昭和」であると考えてよい(追記:昭和と並び、大正の次の年号の候補となっていた元号のようです)
{netabare}第1話は、爾朗が超人課につとめているS41年と、超人課を離反した後のS46年との対比で物語が進む。物語のイントロダクションとなる第1話のこの対比は、慣れればとてもわかり易い。爾朗の離反などの重要事項さえ覚えていれば、その元号がどういう時期かわかるだろう(時系列での視聴者の混乱を見越してか、公式サイトにおいて年表が公開されている。該当する話数も記載されている)。{/netabare}

作画の話に移る。
今作は『ぱにぽに』の氷川へきる、『灼眼のシャナ』、『涼宮ハルヒの憂鬱』のいとうのいぢ、『レジェンドオブレガシー』の平尾リョウのキャラクター原案を、ボンズ作品ではお馴染みの伊藤嘉之がキャラクターデザイン・総作画監督としてまとめ上げている。まず、そのすごさを語りたい。三人が三人、それぞれ全く異なる画風を確立している中、それをまとめ上げる伊藤嘉之の作業量はどれほどのものだろう。男性陣の氷川絵、女性陣ののいぢ絵、風郎太他の平尾絵といったところか。どの絵も、神化の時代でうまく共存していた。
{netabare}また、3話後半の戦闘シーンでは中村豊が原画をつとめており、爾朗、ライト、メガッシンという一人と二体の正義が交錯する素晴らしい引きを演出した。{/netabare}
それ以降も作画の崩れが見られず、かなり安定した作品だったと言える。


2016年4月から、第2期の放送が決定している。
脚本に『魔法少女まどか☆マギカ』の虚淵玄、『キルラキル』の中島かずきを迎えるという情報もあり、筆者は不安半分で続報を待っている。物語の風呂敷をたたむことは、広げることの数倍難しい。しかし、ここまで我々を楽しませてくれたのだから、そうしてもらわなければ困る。

また、今期は『ワンパンマン』にヒーローアニメとしての覇権を奪われた感があるが、筆者はあまり悔しさを感じない。愛する『スペース☆ダンディ』の作画陣が二手に分かれて高クオリティなアニメを作っているのだ(ワンパンマンに小田剛正、久保田誓、亀田祥倫。コンクリートレボルティオに中村豊、Bahi JD)。文句は言えまい。

長くなった上に、ただの説明感が否めなくもない。。。

投稿 : 2016/04/16
閲覧 : 357
サンキュー:

17

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