けみかけ さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
雰囲気作りは申し分ないのですがお話のパンチは弱め
日本アニメーション40周年記念、『シンドバッド』3部作の第2弾
前作の内容はほとんど振り返らないためまず前作をご覧になっていただいた方がよろしいかと
水の上を走る青い馬、船ほどの大きさのある足跡、そして動く島
そういえばこんなのアラビアンナイトにあったなー?と思いつつ、謎の島でサナが感じ取った「魔法のランプ」とやらを巡って、悪漢たちとの奪い合いをするシンドバッド、サナ、アリ、そしてミミの三人と一匹が描かれます
率直に感じたのは冒険モノとしてはだいぶパンチは弱め
ダール達、悪漢を纏め上げる組織のボスとしてガリプ様(CV石田彰)が初お目見えこそすれど、これといって緊迫感のあるシークエンスは正直無かった
逆に取れば小さい子が怖がってしまうようなシークエンスはありません
が、前作のようにアクションの一つぐらい魅せて欲しかったですね
で、前作もそうでしたがこのシリーズは『世界名作劇場』的な心理描写に重きを置いてるのがよく観て取れました
サナが魔法族としてどんな扱いを受けてきたのか
アリにはなぜ家族がいないのか
こういった登場人物の心理描写に時間と力を割くのは決して無駄なことではないと感じました
肝心の「魔法のランプ」の秘密は据え置きになりましたが、次回作で大きく盛り上がってくれることを祈りつつゆっくりと待つことと致しましょう
また、監督の宮下新平さんが2015年末にお亡くなりになり、今作が遺作となってしまいました
往年の『ちびまる子ちゃん』の演出をはじめとする監督のご偉業に改めて感服しつつ、ご冥福をお祈り致します