ダレイオス さんの感想・評価
3.7
物語 : 4.0
作画 : 2.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
新たなる秩序が生まれた社会でのお話
始まってアバンを見た感じだと現代文明が栄えた1000年後の
とある村の出来事で公式で1000年後て発表されているから
そう思うしかないのかもしれないけど
別に未来的て訳でもないし
文明が滅びかけて貧困にあえいでいる感じでもなく
未来の世界と言えばよくあるああいうものという雰囲気はないですね。
ただ単に衰退して昭和初期くらいかと謎の開始です。
文明が衰退しただけと、引っ掛かりのあるね。
もしかしたらこの違和感自体が伏線かもと考えましたね。
おそらくは1000年の間に何が起こったのかがテーマになると
予想される開始ですね。
村の姿は何か懐かしい気分になれる世界観があり
風景は奇麗だし、水車やら水辺とか現代人が見ると
何となくだけど落ちつける雰囲気があり
かなり頑張っていると思います。
そして、よくわからない儀式やスポーツみたいな競技
さらには、現代には存在しない種類の牛や変な知的な雰囲気がある謎の生物とか
伏線でもバラ撒いているのかな・・・と
気になるんだけど、面白いとまではいかないので
私の忍耐力では視聴はかなり難しいと
魅力的な世界な気はするけど、我慢の必要な開始でした。
ただしゆったりなテンポなので作風にはあっていて1話2話3話くれば
段々慣れてきました。
個人的にはテンポが早すぎるのは対応は難しいのですが
テンポは遅いのであれば、稀な例を除いては対応出来るので
慣れ次第かなと思います。
慣れてくれば、こんな見慣れない生物いるなとか逆に
興味が沸くくらい世界観は良かった。
この世界の人間は呪力という超能力を持っており
この呪力が世界の歴史にどう影響を与えたかなど
段々わかってくる作りで、色々とわかってくる面白さはありました。
ただし5話の作画が変だったり
いきなり話が2年飛んだり、作りは丁寧でなく
あんまり面白くないな・・・と感じる部分もあり
面白いのと面白くないのか、行ったり来たりするようでした。
5話はかなり重要な回なのですが
演出、作画が極端に落ちるのでに何が起こっているのか把握しずらかった。
画面すら暗いので
作画が悪いとよくわからないものになりストーリーを追いづらい作りなのも
問題でしょうね。ファンタジーでこの作画ではキツイ
いきなり2年飛ぶのも付いていくのは大変でしょう。
と視聴者に優しい作りではないですね。
中盤は何か事件が起きて、その後、話をずっと聞かされて、あれはああいうことだったのか
それはこういうことだったのかとか
答え合わせをしている展開でアニメ的な要素はかなり少ないかな
別に萌えアニメではないのは、いいのですがアニメ的に楽しめる要素が
少ないのはチョットですね。
作画が悪い上、会話中心なのでその組み合わせの相性は悪かった。
どっちかだけなら楽しめたのですが
ただストーリー自体は作り込んでいて、テンポも早くないので
よく聞いていれば意味はわかるし、この世界の仕組みもわかってくるし
大人の判断で子供が大変な目にあうとか
この世界がかなり切実な状況にあることが、わかってくるので
わかってくれば、段々楽しめる内容になりました。
大変な世界ではあるけど
それでも社会的秩序はある程度は考えられた決断であり
誰かの独裁的な判断や強欲でそうなったのではなくて
みんなで考えて、そうなった世界にみえるので
世界観は説得力があり興味深いものはありました。
そして、バケネズミという知能の高い、言語を喋る生物が
人間に服従している社会体制があり序盤から複雑な社会構造
ハゲネズミに関しては、その扱いに正当性はなく
嫌々服従させている感じがあり、作中の主人公達が見た扱いですら
上から目線、下の者を見る感じで、知性は人間同等ではあるが
確実に人間以下の扱いである。
現状は良好でも人間の気分次第では全員処刑もありうると
恐怖に震えながら服従している感じすらある
序盤から完全な正義ではない主人公達は
視聴者に対して悪印象すら与える。
ただし、それは人間社会を形成する上では当たり前であり
それが人間以外の生物から見れば迷惑な話でも
言い方は悪いけど、今現代地球の覇権を握っている以上、人間の都合になるのは
流れとしては仕方がないことだとは思います。
他の生物だって、他の生物のことを考えて生きている生物はいないでしょう。
共存関係にあるように見えても、たまたまバランスがとれているだけで
他の生物のことなんかは考えていない。
何が言いたいかって?他の生物のことを考えて生きている生物は人間だけなんだろうな
と思いますね。
他の生物は何とも思わない行為も人間だからこそ考えてしまう。
人間だからこそ人間について色々考えらせられる内容でした。
「人間の定義」も何なのかと考えらせられました。
人間から産まれるのが絶対条件なのは、わかるのですが
人間と同じ知性を持ち言語喋るのであれば
やはり人権が生まれるのではないかとか考えましたね。
個人的にはそういうことを考えながら見ていたので
ストーリー自体はためになると思いました。
実際ストーリーも、この世界の仕組み、世界観を描写してから
物語が動く作りになっていたので
終盤の独特の世界観をいかした展開は、色々考えらせられました。
ネタバレになるので詳しくは書きませんが
序盤から完全な正義ではない主人公達が描かれていたので
その理由がそれが最後にわかるものでしたね。
単なる正義の味方が純粋な悪を倒す構図にはなってないので
最後は中々見られない。ストーリー展開が見れて
ある意味、歴史の傍観者になった気分ですね。
個人的には、これはこれで物語としては成立していると思うし
同性愛のシーン、グロシーン、残虐なシーンはありましたが
それらはストーリー上で必要な部分もあるので
全ての要素を自然と受け入れられる内容でもありました。
キャラも最初は好感が持てなく感情移入しずらかったけど
最終回になると、それぞれの役割がハッキリするので
終わってみると、これで良かったと思います。
個人的にはスクィーラのキャラが立っていたので
好きだったんですけど、物語に終盤かなり絡んでいたので
そのせいで逆に複雑な気分になりました。
最初の頃が好きだったので・・・
声優さんの演技は、かなり良かったですね。
スクィーラ役の浪川さんは重要な場面はかなりの熱演だったし
普通に喋っていても個性的で良かった。
キャラが年齢的に成長するストーリーだけど
演技もそれぞれ演じ分けは出来ていたし、その点は満足ですね。
音楽についても、雰囲気に合った曲は流れていたし
ホラー的な要素もあるアニメなのですが怖そうな場面で
怖いと思わせるだけの曲が流れていたし
曲も良かった。
ストーリーにテーマ性は感じたし世界観を十分に描写してから
物語が動く構成も良かったと思います。
個人的には映像面からくる問題点が気になるアニメでした。
雰囲気が良かったり演出面では良い時もあったのですが
作画が悪い、画面が暗すぎるがゆえ描写的によくわからない部分があり
あまりアニメーションとしては楽しめない部分は大きかった。
でも中身自体は良かったです。