makkotty さんの感想・評価
3.5
物語 : 2.5
作画 : 3.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
SEEDで好きなキャラクターは砂漠の虎
放送当時は取り敢えず誰が誰とくっつくのかだけを楽しんでいたような気がします。
今思うと主人公がシンからキラに変わってから確かに面白かったと思います。主人公が強いというだけで作品はかなり魅力的になります。目的意識もはっきりしているし・・・。
当時はそういった作品の華やかさに目がいきがちでしたが・・・結論から言うと主人公を美化し過ぎですw
SEEDは心が弱かった主人公のキラが傷つきながらも成長していく姿が見られたし、キャラクターとしていい奴だと分かっていたから・・・シンが恨む気持ちも分かるけれど一度死亡したと思わされたときは悲しい気持ちにもなった。
でも実は生きてた・・・いや・・・死ねば良かったのに。
私は別にキラが死ねば面白くなったとは思わないです。
死なないなら原点に立ち返って戦うことに恐怖を感じながらもシンの方を容赦なく倒すべきだったんじゃないか?と思うのです。シンはより強くキラの事を憎み、恨むと思うしそのほうがシンを見ている人の共感を得られると思います。
総集編で和解してたけれどそんなに簡単に人の恨みが消えるとは思えない・・・ルナマリアっていう新しい恋人が出来たから過去に死んでしまったステラや妹のことはどうでもいいの?
戦争が悪いからで片付けていいのか? 主人公はこれからも自分に歯向かうものは全て蹴散らすって宣言してたじゃん!
かっこよく言ってごまかしても結局はそう言ってただろうに・・・。
私も人が死んじゃう小説を書いているので登場人物の生死はすごく難しいと思います。
愛すべきキャラを作ると、確かにその人が死んでしまったときは悲しいですし何で殺しちゃったの?って読む人は思うはずです。
基本的に死んだ人が生き返るのはドラゴンボールだけで十分ですが、そういうところがこの作品には多いです。
いろいろ死んだはずなのに五体満足で生きてたりとかして・・・。
生き残って良かったというか、助かっても納得がいったのは砂漠の虎だけです。新しい人間関係ができそうな時に過去の人が出てくるなんて・・・可哀想過ぎる・・・。
そして後から知ったことだけどDESTINYプラン。当時は遺伝子鑑定で生き方を決められるカースト制みたいで嫌な制度だと思っていたけれど見方を変えればすごく良い制度です。
結局人間は遺伝子によって性格も知能も体格も形を作られています。それを超えることはできないのです。
研究が進んだ世界ならたぶん世界中の人がそういう認識のはずです。
遺伝子鑑定の結果を元に適職を判断するハローワークができるというだけの話で、収入に格差がない社会なら大いにやるべきです。仕事だけじゃなく出会いまで・・・すばらしいものを提供してくれるシステム・・・すばらしいじゃん。
人間を無気力にしそうだけれど・・・。不平不満のない世の中なら戦争すら起きないでしょう。
何でも出来るキラ・ヤマトその他コーディネーターには必要ないでしょうが・・・弱者が救済される制度です。
遺伝子鑑定の結果お前は死ね・・・とかお前の家は滅べとか言われたら嫌だけど・・・。
そういうものを全て切り捨てたのが美化され過ぎた主人公なのですが、そこを疑問に思うことすら許されないノリで進んでいくので主人公の敵にまわった人々が一方的に悪者にされて哀れです。
監督の立場だと小中学生に分かりやすい形でこの計画が間違っていることを伝えたかったってwikiに書いてあるけれど・・・。
監督が分かりやすく間違っていると思うことをやってしまうような小さな指導者に人がついて行くのかよ!ってちょっと思いました。
使いまわしの戦闘シーンは飽きるかも知れないけれど、
何も考えずにキラかっけぇ・・・とか、うわ、死んだはずの人が生きてて良かった・・・とか設定とか細かいことをよく考えないで見れば感情が揺さぶられるシーンも多くて・・・深いことを考えないで見れば面白いのがこの作品。