「BLUE GENDER [ブルージェンダー](TVアニメ動画)」

総合得点
63.0
感想・評価
77
棚に入れた
403
ランキング
4608
★★★★☆ 3.3 (77)
物語
3.5
作画
3.2
声優
3.4
音楽
3.2
キャラ
3.4

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ネタバレ

どらむろ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

進撃の巨人→マブラヴ→ガンパレ…の大元と言われる90年代末の深夜アニメ。桑島法子ファンなら必見かも。

巨大な虫っぽい生命体により壊滅した地球を舞台に繰り広げられる、ロボットバトル+サバイバル+男女のロードムービーな全26話。
世界観は「マブラヴ」や「ゴッドイーター」っぽく、終末観漂う鬱展開やグロあり。
本格的に深夜アニメ放送され始めた初期の方の作品で、後続の「マブラヴ」シリーズ「高機動幻想ガンパレードマーチ」…「進撃の巨人」等に影響を与えたようです。

骨太な世界観や筋の通った脚本、主人公・祐司とヒロイン・マリーンの絆は中々。
あと、ヒロインとOP・EDが桑島法子さん、ほーちゃんファンならば観て損は無いかと。

{netabare}『物語』
主人公・祐司(ゆうじ)は難病を今の医療では治せないので、未来に託す為コールドスリープしていたが、目覚めた世界は滅んでいた…。
BLUE(ブルー)と呼ばれる蟲っぽい異形生命体により人類壊滅した未来の地球で祐司は「スリーパー」(コールドスリープしていた過去の人間の事。とある理由で人類生き残り組織から求められている)として組織の女兵士マリーン達と共に「セカンドアース」という人類生き残りが住むスペースコロニーに向かうことに。
絶望的な状況、ブルーの猛威の前に、次々散っていく仲間たち…
こんな世界で何故自分は生きねばならないのか!?

…序盤は祐司がウジウジと足引っ張るので観ていてイライラするのが難。
また「モブとゲスト」に厳しい作風、基本的に祐司とマリーン以外は皆死にます…
優秀な兵士として育てられたマリーンの冷徹さと、平和ボケした祐司の対比を見せつつ、絶望的な旅路が続いていく。
地球に取り残された人間たちの悲惨さが、かなりの鬱展開…
またモラルが崩壊してる世界観なので、深夜アニメということもあり、露骨なセックスシーンも多々あり。

世界観や雰囲気は前述の通りマブラヴやゴッドイーターっぽいです。
序盤から仲間が死にまくる展開は後の「キスダム」辺りにも受け継がれていそう。
「アーマーシュライク」というボトムズっぽいロボットで戦うので一応はロボットアニメでもあるのですが、このロボあんまり強くない上に戦闘も地味なのでやや盛り上がらない。
それでも必死に乏しい銃火器で絶望的な死闘繰り広げる様は緊迫感あり。
展開や現在の目的は常に分かり易く、全編通して脚本の質は良いです。
鬱な死闘繰り広げつつも、意外と前向きなロードムービーな感じ。

前半(1クール)までの、宇宙船打ち上げ基地に向かうまでの旅の方が面白かった。
朝鮮半島のエピソードは鬱ですが、遊牧民少女との交流や、いぶし銀の傭兵ダイスと共闘する等、飽きさせないです。
ロードムービーらしい展開で、祐司の成長や、冷徹だったマリーンの心情に少しずつ変化が現れる過程も見所でした。
初期の冷徹な戦闘マシーンから徐々に人間らしくデレてくるマリーン可愛いです。

後半クールからはスペースコロニー「セカンドアース」を舞台に、上層部の思惑とかの政治劇に。
丁寧な進行なのですが、前半のロードムービーに比べやや退屈かも。
序盤に比べて戦力整ってるので絶望感薄れてますが、展開が二転三転するので目が離せないものの、ややB級っぽい強引さも…

見所は、初期とは祐司とマリーンの戦闘力と人間らしさが逆転していく構図…
恋の三角関係とかもありつつ、マリーンの葛藤を通じて人間らしさについて考えさせられる感じ。
すっかり人間らしい女性になっていくマリーン。
後半の祐司は見違える程の強さで無双!
祐司が無双出来た理由、マリーンのスリーパー回収任務の意味が初期からちゃんと伏線張られているなど、脚本が良く練られてます。

…ブルーとは結局{netabare} 増えすぎた人類を粛正する為の地球の意思であった! {/netabare}
でもブルー排除よりも、人間らしく生きる事がテーマっぽいです。
全編通じてB級なノリ(モブやゲストの扱いが雑)だったり、強くカタルシス感じられる盛り上がりは乏しい点が難でした。
最終話も唐突な展開{netabare} なんでセカンドアース全滅するんじゃ!?別にセノ死ななくてもいいだろ… {/netabare}余計な気がする。
それでも全編通して脚本がしっかりしている事、一貫してマリーンの祐司への愛のドラマは良かったです。
前半はロードムービー、後半もなんやかんや混迷しつつも次第にブルーやスリーパーの謎が判明していく興味深さで最後まで飽きさせない。
…B級な面は否めませんが、私的にかなり面白かったです。


『作画』
当時の深夜アニメとしてはそこそこなのでは。
マリーンは結構美人です。あと結構露骨なエロあり。
ブルーがかなりグロい点も見所。
ロボット・アーマーシュライクはボトムズっぽい武骨な魅力あり。
けどパイロットが露出してるのはどうなんだろ…?
戦闘シーンはムラがあり、迫力あるシーンも多少はありますが、単調で地味なシーン多いのが難でした。
本編もOP映像みたいなクオリティーあれば大分評価上がったのですが。

『声優』
海堂祐司は野島健児さんロードス島戦記のスパークに続く2作目の主演キャラ。
序盤のイライラから終盤の狂気まで地味ながら祐司の内面しっかり伝わりました。

マリーン・エンジェルの桑島法子さんのクールビューティー良かったです。
初期は冷徹な女軍人、次第にデレていく感じが良かった。

ダイスの銀河万丈さんカッコイイ。渋いイケボです。


『音楽』
OP「解き放て!」ED「愛が教えてくれた」共にマリーン(桑島法子さん)の美声が光ります。
OPはカッコ良くノリが良く熱い曲、EDはマリーンの愛をしっかり伝える良曲。
いずれも本作の主題をバッチリ捉えていて良い主題歌です。
…あと、歌詞が分かり易く聴き取りやすいのも良い。
最近の歌よりもスローテンポで単語をはっきりと発音する感じ。サビのラスト
「し・ん・じる~、ち・か・ら、と夢を~~~、生きてゆ~くた~めに~♪」
カラオケでとっても歌い易いので何気にお気に入り曲♪
…けど女性曲なので「自由を武器に~きっと手に入れる「のよー」~♪」と女言葉になるので男が歌うとちょっと恥ずかしいw

BGMも中々で、ブルーとの死闘や絶望感良く出ていた。


『キャラ』
海堂祐司は序盤かなりイライラさせるキャラではありますが、成長度は高い主人公です。
恋愛面でビシッとしてないのでそこも難あり、いやそこは面白い面かも。
無双系主人公として設定面で説得力あるのは良いです。

マリーンは話が進む程にデレてくるのが可愛いヒロインでした。
使命史上主義な戦闘機械からの後半~終盤の愛に目覚める、良いですね~。
ナイスな桑島ヒロイン…彼女はちゃんと生き残ってよかった♪

モブはもちろんゲストの名有りキャラも容赦なく使い捨てにされるのは良し悪しあり。
序盤のジョーイとかいい奴だったに…。
後半の仲間たちも良い奴ら多かったのに、扱いが雑すぎる…。
韓国人(地球の国家全部滅亡してるけど)の幼女ユンちゃん可愛かった。本作唯一の萌え要素。
優しい良い子だったのに…サツバツ!

いぶし銀の戦士ダイスが渋くて頼れました。彼と共闘する辺りが一番面白かったかも。
遊牧民の美少女エリナちゃんも良い恋のライバルであった。私ならエリナちゃん選んでたw

セカンドアース上層部はセノ・ミヤビ含め、双方人類の未来考えての行動なので、意外と悪人は誰もいない感じは良かった。{/netabare}

投稿 : 2016/03/11
閲覧 : 496
サンキュー:

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