dDPcj52722 さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.5
作画 : 3.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ゲームの派生展開という立場と物語テーマ性の付与の狭間で苦悩する製作陣
※どうも1期2期で分けて語る必要を感じないアニメだったので、ここに2期分の感想をまとめておきます。
【物語と作品背景について】
「アイドルマスター」シリーズはアーケード時代から10年続いている老舗シリーズで、その派生ゲームである「シンデレラガールズ」もソシャゲ界ではトップクラスに位置する人気を有しており、本家よりケタ違いに多くの個性溢れるキャラクターが特色である・・・・という認識だったんだけどこれで良いのかな?(ゲーム未プレイ)
そのアニメ化ということで原作ファンの間では非常に期待(と不安)の大きかった作品で、話題性が非常に高かったことを記憶している。
根本的に言えばゲーム販促アニメなので、それはそれとして割り切って作り、キャラアニメとして完結させてしまうこともできたと思うが、アニメ製作側はそれを良しとしなかった。
それをやると新規客をつかみにくいという商業的な理由もあるだろうし、単純にアニメはアニメとして、派生ではないきちんとした世界を提示したいという意図もあったと思う。
何はともあれ、このアニメは断片的なキャラアニメとしてではなく、物語の縦糸をきちんと有するアニメとして構成されるに至った。しかしながらキャラクターを押す要素がないと原作ゲームのファンが今度は付いて来れないし、各キャラクターが作中で歌う歌を現実でも売り出すという商業的な戦略を含む企画なので、「芸能プロダクションを舞台とするグランドホテル形式の短編集」という形式を借りることでその要素を補った。
一方で、原作サブタイトルである「シンデレラ」というワードに着目し、未完成で不完全な女の子がアイドルという器を与えられたことに対する葛藤と、アイドル以外の目線からのアイドルはどう有るべきか?という「べき論」を全体を通す縦糸とした。
そして全体を通すプロット・テーマ性は案外少数のキャラクターの肩に乗ることになった。主役格の3人のアイドルと、プロデューサーと、美城常務。この5人である。基本的にはこれで事足りている。
さて、「もしこのテーマ性で25話分作るとしたら」、という観点で本作を振り返ってみるともうこれは間違いなくキャラ数が多すぎる。キャラ毎の短編に関してはそこそこにまとまりがよいのだが、そこでまとまるからこそ全体プロットへの影響が少なく、乖離してしまっている場合すらある。
そういうエピソードが25話中8話分ほどある。繰り返すがこれらは単品の短編としては出来がいい。しかし・・・。
もし全体プロットのテーマを描くだけが目的のオリジナルアニメーションならば、絶対にこういう構成にはならなかったと断言できる。その8話分でプロデューサーの過去を描くなり、ニュージェネレーションズの個性を深堀りするなり、悪役常務の感情を描写するなどをしたはずである。
だがそれが許されるアニメではなかった。これはオリジナルアニメではないのである。
そのため24話、最終話での全体テーマの落としどころはかなり妥当なところであり、それ自体に違和感はないのだが、そこまでの描写が浅いために大きな感慨を得られないのである。
一言で言えば、非常にもったいない
【声優】
声優さんめちゃくちゃ上手いね
とくに23話びっくりしたよあの3人すごい上手い
あの3人は記号的なキャラクターを捨てた先の3人だった
【音楽】
題材が題材なだけに毎週毎週きちんとエンディングを新調してきたり手が込んでいるが、その中でも特に感心したのは挿入歌の使い方。
6話での使い方があんまりにも上手かったのでそれに引っ張られて全話視聴したような感すらあります。
【作画・演出】
このキャラにしてかなり実写映画的な演出が多くて驚く。
結構生々しい手触りのある画面作り。
作画は良い悪いの前にスケジュールがガタガタに死んでいた・・・。
【キャラ】
シンデレラプロジェクトと周辺キャラあわせて20人くらいは覚えられたので先に挙げたキャラアニメとしてもそこそこ頑張ったと思う
見せ方が良くないアニメだとクローズアップされてもそもそも覚えられなかったりするけどそういうのはなかった。