ポール星人/小っさ さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
素敵な話ですが、お涙頂戴作品としては観ない方がイイかと。
死んだ者の恨み・悲しみ等の無念の思いがシゴフミとして生者に届けられるとなれば号泣必至と期待して観ると、前半は淡々として描かれてて泣けない気がするんですよね。意図的にそうしてる様にも私は感じました。
{netabare}
虐待・いじめ・両親の離婚という題材は前半・後半各々別エピソードで繰り返し描かれてますが、前半には無邪気な恋心から素性も良く知らぬ少女を信じその子に刺殺される少年、何の悩みも不満も無いにも関わらず理由なくなんとなくビルの屋上から飛び降りてしまう少年も描かれます。{/netabare}
この作品の核は軽く扱われる命と個の尊厳がテーマ故に、あえて前半は無常観を印象付ける為の構成かなと。
{netabare}
一方後半はチアキの生前の想い人と彼のシゴフミ、末期癌で自暴自棄になった男が死の瞬間自らの人生に価値を見出す物語が組み込まれる。
そしてヒロインのフミとミカという同一人物の二つの自我の物語を二人の友人と絡めて描き、所謂"いい話"を纏めて見せる訳で。
{/netabare}
"涙の押しつけ"をあまり意識して無い様な気が個人的にはします。
で、私は涙ボロボロ流させられる作品だと思ったんで、そこは拍子抜けでは有るんですがw
でも後半はちとおめめがちょっと潤みましたけどね(汗)
結構評価が両極端に割れてる作品ですけど、私は前半はあまり食指が伸びず意外と不評な後半を一気に観ちゃいました。
多分、前半が好きな方は物語を積極的に考えて噛み砕くタイプな方かなと。
観終えた後、自分なりに前半と後半の構成を考えてそういう事なんかな?と振り返ってみると全体としては悪くない作品じゃないかなと。
ただ、確かにラストがなんとなくモヤモヤするというか(汗)
この作品があまり評価が高く無い理由なんでしょね。
{netabare}ミカがシゴフミの配達人として存在し続けて欲しいと言う部分が、もう少し刷り込み必要だった気が。チアキが明るく堅苦しさないシゴフミの配達人として存在しているし、要と夏香との絡みでミカへの親近感は湧くようには作ってるとは思いますが・・・
ミカはミカで存在するのが良い結果と思えるように誘導しないと、このラストはイマイチな訳で。{/netabare}
私も正直、ラストはちと不満です。
テーマは好きですし陰鬱過ぎでもなく押しつけがましくない感じは好きなんですが、モノノ怪なんかに比するとインパクトとか涙成分は控えめに纏まっちゃってる気はします。