ふりーだむ さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
FGとZの間に起きた「デラーズ紛争」を描いた作品。
かの一年戦争から3年後、ガンダム試作機強奪の一件から蜂起するジオンの残党・ギレンの側近エギーユ・デラーズ率いる「デラーズフリート」。ガンダムを奪ったのは戦時、連邦を震え上がらせたジオンのエースパイロット「ソロモンの悪夢」アナベル・ガトー。
強奪された核搭載型ガンダム試作機、そしてガトーを追い、連邦の新米パイロット、コウ・ウラキが試作一号機を駆り、新型艦アルビオンとともに事態の収拾に当たる。自分の未熟さと戦い、様々な出会いを経て戦い続けるコウ。それを見守るニナ。様々な思惑と策謀の果て、己の信念をかけたコウとガトー。その果てに何があったのか。FGとZGの間を紡ぐ、「ティターンズ設立」までを描いた作品。
UCシリーズのOVAの中でも、人気を誇るこの作品。暗い雰囲気の中、策謀渦巻く戦地で「本当の敵」とは別に己の信念を賭け戦うコウとガトー、両者の運命を描いています。
「正統派」の流れを汲む試作一号機「ゼフィランサス」(宇宙用仕様は「フルバーニアン」)と核バズーカを持つ連邦内の元ジオン技術者によって作られた悪人顔(笑)の試作二号機「サイサリス」。ガンダム同士の戦闘と戦闘中の「語り」が見所の一つでした。
序盤の強奪シーンや、一番の見せ場「アトミックバズーカ」発射のシーン、最後の試作三号機「デンドロビウム」とノイエ・ジールとの戦闘と緊迫感あふれるインパクトのあるシーンが多かったですね。
話のネタにされることも多い「ジオン再興のため、星の屑成就のため、ソロモンよ、私は帰ってきた!」のインパクトは相当なものでした。
MSも、試作ガンダムを始め、ドムやゲルググ、ジムの発展型などの登場は一年戦争ファンにとってたまらない部分もありました。
作品の特徴としてキャラの口調が少々時代掛っているところですかね。ガトーを始め、デラーズ、シナプス艦長の語り口調も印象的でした。
シーマも存在感を出してましたね。「よりどりみどり」「あんたはどっちの味方だい!」など様々な名言も残してくれました。
記憶が定かではないのですが、ハマーンもワンカットだけ出ていた気がします。
最後、軍事法廷で戦犯として裁かれるコウ、「ガンダム試作計画」の抹消により罪状を消され、この事件をきっかけに連邦の高官の一人ジャミトフ・ハイマンが権力を握り、腹心のバスクとともに「ティターンズ」を設立します。最後のバスクの演説がZへの幕開けとなります。
ニュータイプの出てこない作品ではありますが、「ガンダム作品」の中では良い仕上がりになっていたと思います。
まだ未見の方がいましたら、とにかく「ジオン再興のため、星の屑成就のため、ソロモンよ、私は帰ってきた!」のシーンを楽しみに見てください。