なる@c さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
森見ワールドを良作画でコーティング
某作品と同じく、京都を舞台とした同名小説のアニメ化。
キャラクター原案に絶望先生の久米田康治を起用し、ドタバタシーンのギャグ顔とほのぼの家族愛の優しい顔を両立させている。また、このクールにおいては声優の能登麻美子が『有頂天家族』(弁天)と『げんしけん二代目』(神永先輩)においてミステリアスな年上女性を演じており、筆者は骨抜きにされていて、一週間が待ち遠しかった。
閑話休題。
家族愛、親戚との確執、散りばめられたギャグなどは語られているので、あまり話すことはない(話したいが、話すと膨大な文章量になってしまう)。なので、他のことについて。
まず、作画(まずとか言って、作画の話だけになっちゃいました)
主要シーンの大部分を『魔女の宅急便』や『AKIRA』の井上俊之がつとめている。
見どころは三話だ。
{netabare}赤玉先生があげてしまった薬師坊の奥座敷を借りに、弁天のところへ向う矢三郎と矢四郎。{/netabare}ここでの描写、矢三郎と矢四郎の歩幅の違いからくる歩くペースのズレや、玄関先で靴を脱ぐ時片足のつま先に靴が引っかかってしまうところなど、必見。
少しシーンが進むと、手描きの波作画、それぞれ別に動くカモメ作画、 {netabare}弁天が使った風神雷神扇によって天候が荒くなり、{/netabare}暴風によって周囲の物が吹き飛ぶところ、クジラと戯れる裸の弁天などなど。まだまだ書き足りないほど。矢四郎の鼻ムズムズからのくしゃみとか。
ここに書いたシーンのほとんどは『井上俊之 有頂天家族原画集《初級編》』に掲載されている。パラパラ漫画の要領で楽しめるので、興味があったら是非買ってみよう。
長くなるので三話だけに留めたが、他にも言い足りないことはある。三話の「いけないタヌキだわ」の後の弁天の動きとか、四話の全面対決とか、十二話の {netabare}偽叡山電車{/netabare}シーンなど。
作画の話だけになった。。
人の興味も惹かずに自分の話をただただするというのは、オタクとしては合格かもしれないが人として失格である。