退会済のユーザー さんの感想・評価
3.5
物語 : 1.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
映画ならではの「けいおん!」の魅力とは
申し訳ございません。残念なレビューになってしまいましたので、この映画を楽しめた・満足された方はどうかこの偏屈の拙文は飛ばしてやってください。期待どおりではなかった、という方の中で物好きな方がもしおられれは、せっかくですのでどうぞお付き合いください。
けいおんは僕をアニメの世界に引きずり込んだ思い入れのある作品で、1期2期番外編すべて繰り返し楽しみ、原作4巻は当然、主な楽曲CDは10枚以上所有して1年以上聞き込み、PSPの「けいおん! 放課後ライブ!!」もやり込んでおり、フィギュアやローソンの景品も結構持っていたりします。また、けいおんに出てくる風景は僕の子供の頃から見てきた地元の風景がモデルになっているということもあって、僕にとって本当に特別な作品です。
今回、期待に胸を膨らませて、けいおんファンに洗脳したw小5の娘と2人で映画けいおん!を観てきたのですが...。期待が大きすぎたのでしょうか。娘はところどころでケラケラ笑ったりして結構楽しんでいたようですが、僕には結構キツイ2時間でした。
けいおんらしく、起伏の無いストーリー展開で可愛いキャラクターの日常のやりとりをまったりと眺める展開。でも、せっかくの映画化。こちらもそれなりにおめかしをして映画館に足を運んでいるという事でちょっと非日常モードになっているので、いつもと一味違う映画的な盛り上がり、感動プロットが用意されているはず、と無意識に勝手に期待してしまっていました。同じ京アニの「涼宮ハルヒの消失」が最高だっただけに。
冒頭のデスデビルごっこは良かったです。この映画で初めてけいおんを観る人はどう思うんだろうなw熱血バンドアニメだと思うかなwとか思うと楽しかったです。でもその後はひたすら続くまったり展開。和みながらもどこから盛り上がるんだろう、とヤキモキしながら時間が過ぎていく。だんだんいやな予感がしてきた。ひょっとしてこのままの感じで終わってしまうのか?いやそんなはずは無い。何たって映画化なんだから。
ロンドンでの野外ライブのイマイチ盛り上がらない感じ。これは間違いなく、次に来るクライマックスシーンへの伏線だな、と思っていたらあっさり帰国で「ええ~~。」
ラスト、最大の泣かせどころであるはずのあずにゃんに曲を送るライブシーンも、唐突に始まってあっさりと終わってしまい、「ええ~~。」その後も何もなくおしまい、で「ええ~~。」 ED中もいや、まだ何かサプライズあるはずだ、何かが...と思っていたら電気が点いて、「ええ~~。」
某柔道家じゃないですが「まあいいです。」という気持ちにはなれませんでした。
観客を感動させるための映画的な(あざとい?)演出をあえて全く無視することが「けいおん!」らしさであって、そうでなければ「けいおん!」じゃないんだ、と制作スタッフが仮に考えていたとすれば、それは違うんじゃない?と言いたいです。せっかくの映画化なんだから、いつもの「けいおん!」は当然観たいですが、いつもとちょっと違う「けいおん!」も一緒に見せて欲しかった。お前は「けいおん!」に何を求めているんだ、アホか、と言われるかも知れませんが、この作品の持つ無限の可能性を感じないですか?空気系以外でも「けいおん!」というコンテンツを使った心躍る、感動できる脚本が書けると思いませんか?僕はそれが観たかった。映画ならそれができるはずだから。
これで満足した方も多いと思うのでこれはこれで正解だったのかも知れませんが、そういう感想を持ったけいおんファンもいた、ということをここに記しておきたいです。
それぞれのライブシーンはさすがに映画館の迫力でカッコ良くて楽しくてテンションが上がりました。でも日常のまったり展開を映画館で2時間は、ちょっと僕にはつらかったです。家でのんびり可愛いものをまったり眺めて疲れを忘れる癒しタイムとしてはテレビアニメの30分は長くないですし、2時間でもいけそうです。この作品も過度な期待をせず、家でDVDなどでそういう見方をしていたら、全く違った感想・評価になっていたような気がします。ですが、今回はあくまで映画館で観た感想として評価させていただきました。
TVアニメ3期、期待しています!
---おまけ---
このレビューを読んでいただいた方から、メールをいただきました。
相手様の承諾をいただき、一部省略してやりとりを掲載させていただきます。
∽∽ 差出人 ○○(仮名)様 ∽∽
突然のメッセージ失礼いたします。
「映画 けいおん!」見てきましたよ。
私も始めはブラックキャットさんと同じ様な感想を抱いていました。皆さんはどんな感想を抱いてるかネットで色々と読んでいるうちにとある評論家の文章を読んで考えが少し変わりました。
映画=スペシャル的な考えは今までの固定概念であって「映画けいおん!」はテレビシリーズのスタイルをあえて崩さないスタイルをとった挑戦的な作品だと。
私はアラフォーですが、ドラえもんの映画だとジャイアンがいい人になる的な固定概念をいつしか植え込まれていたのかなぁ~と感じました。
作品は長く感じましたが、これは着地地点が既に分かっているからだと個人的に思いましたね。(話を追っちゃうんですよね)
小津映画も日常を淡々と描いた名画と評されていますし、もう一度劇場で映画見たいと思っています。(フィルム欲しいですしww)
ベタな劇場版けいおん!も見てみたかったですけどね。
初めてのメッセージで長文失礼致しました。
∽∽ 岩倉ブラックキャット ∽∽
メールありがとうございます!
私のつたないレビューなどに感想とアドバイスをくださり、嬉しいです。
なるほど、そういう見方もあるのですね。もう一度大らかな気持ちで観たら、僕も楽しめるかも知れないです。
でも、これまで監督や脚本家の才能の無さを挑戦的、前衛的という言葉を隠れ蓑にした駄作映画をずいぶん観てきました。固定概念を破ったり挑戦的であること自体が善というわけではない、それは○○さんも十分お分かりの事と思います。仮に劇場版ドラえもんが、ただのテレビアニメの長尺版であったらどうでしょうか。ある意味、そのスタッフの勇気は凄いなとは思いますがw映画としての評価は別です。
今回、映画がヒットして世間の注目を集めており、深夜アニメファン以外の映画ファンや普通の人も興味を持って、一度観てみようかな?という人も多くいると思います。そういう人達にも、「けいおんの映画、面白かった!」と言ってもらいたかったです、僕もファンとして鼻が高いのですので。でも本作は、アニメファン以外には受け入れられないのではという気がします。特に、映画ファンから「所詮、アニメマニアのためだけの映画だったか」と、凡百のアイドル映画などと同列で扱われるかも知れないのが悔しいです。いえ、そういう映画が悪いとは言いません、それはそれで存在意義のあるものです。ただ、劇場版けいおん!はそうあって欲しくない、ベタだろうが前衛的だろうが、映画的見地からみても傑作と言える作品であって欲しかった、消失のように。と僕が勝手に思っているだけです。
でも、○○さんのおっしゃるように、小津映画のようだ、と評価される可能性も少し期待しておきます。
(以下略)
∽∽ 差出人 ○○(仮名)様 ∽∽
ブラックキャットさんの言っている事は正論であって私もその通りだと思っていますよw
ただ、その思いから目を背ける為に、何か理由づけをしてしまったのかもしれませんね、淀川長春さんは映画好きゆえどんな駄作でも褒めていた様に「けいおん!」が好き過ぎて悪く言いたくなかったのかもしれませんw
一部ファン向けの作りになってしまっているのは守りに入っているかもしれません。(収益的観点から)
本当の意味で市民権を得るような作品に押し上げるのならばファーストガンダムの劇場版の様に一からやるべきだったかもしれません。
山田監督は劇場初作品として良くやったんじゃないでしょうか。
(中略)
2度目は更に楽しめました(フィルムは外れでした)3度・4度と見たくなります。あずにゃん、にゃんにゃん♪w
これからも宜しくお願いします。
∽∽ 岩倉ブラックキャット ∽∽
2度目も楽しまれたようで何よりです!( ´ー`)フィルムは残念でしたね。3.4度目もいっときましょう!ww
○○さんのように1ステージ上の大きな心で良い部分に焦点をあてて楽しむのが一番いいんでしょうね。僕も普段はそういう感じでたいていの作品は楽しめるんですけど、今回は何故だか偏狭になってしまっていたようです。DVDが出たら改めてじっくり何度も観て和もうと思います。( ´ー`)
(以下略)