ソラ さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
ガツガツしてなくてやんなっちゃう!
部活やってた学生時代に少しだけ戻りたくなりました...。
試合での一球ごとの投手、捕手、打者、監督の心理描写など一つ一つの描写が丁寧で駆け引きのパターンが多いからこそ、達成感や説得力も重なっていくし、テンポが悪くてもその場その場の描写がおもろいから見続けてられるし、復習しても飽きないつくりになっている。
西浦対桐青の試合ほんと何回も見直しちゃうもんなぁ。
こういう野球コンテンツがあってもいいなとは思っていたので感無量。
(一人一人の打者に対する)捕手(or投手)の配球という実力が拮抗していればしているほど重要になってくる部分にフォーカスを当てていたことも素晴らしかった。
特に三橋くんのような軟投派の投手には重宝される。
キャラの性格にも細かい描写があって、性格から言動、視野の広さ、プレースタイルとかが現れてるところも面白い。
花井くんなんかも他人を気遣いにいくスピードが人一番早かったりしてキャプテン気質なところをちゃんとスポットを当ててるところなんかは良かったよね。
精神的なキャプテンの花井くん、技術的なキャプテンの田島くん、戦術的なキャプテンの阿部くんと三本柱なわけですが、大体の野球漫画ならこういう三人の内の誰かが主人公やるんだろうなと眺めていました。
三橋くんに対してその対象的な三人がチームバランスを取っているんだろうな。
さらに特筆すると試合外でのプレゼンテーション力も光っていたよね。
作中で志賀先生が解説していたメンタルトレーニング、スポーツ科学、栄養学系の話題なんかも一般論で庶民的に分かりやすく解説されていた。
志賀先生は講演会や学校行って勉強していたって言われていたけど、作者の勉強熱心なところが出ているよね。
なにより志賀先生の指導の仕方が素晴らしかった。
人に物事を教えるってのは教わる方と比べて何倍も理解していないから難しいってのもあるけど、一つ一つ質問を投げかけコミュニケーションをとりつつ考えさせ説明する想像力を養うやり方、結論を焦らず正しい順序をもってして過程から伝えていく応用力のつく教え方をしているなと関心してしまった。一種の誘導尋問みたいだけどね。
そこら辺、原作者は包容力を持った器の大きい人だなと崇めてしまった。
ってか原作のおまけページでは高校野球に関わる選手・指導者・マネジ・家族などの生活、協力、集団行動に関しての掘り下げが多くて健全な営みになんだかほっこりさせてもらいました。
そんな原作の要素を除いても作品全体に母性を感じるんだよな。
原作には野球のルールについての作中の試合もふまえての場面解説なんかも多く記載があったりして、そうやって勉強してなきゃ場面ごとの状況に応じた試合運びを行うことってできないんだよね。
意外に思春期くさい描写があったのが笑えた。
...実はマンガーレに投稿しようかとも思いましたが、野球は映像で見ることに慣れてしまってるせいか映像のほうがストンと頭に入ってくるようなので...。