ヘイレン さんの感想・評価
3.9
物語 : 5.0
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
タイトルなし
彼らに物語があったとしても、我々からは一冊の書物の一編としか見えないだろう。
私が今書いている感想も一編にしかならない。
誰かがどれだけ一人を愛していようと一編である。
どれだけ一人を憎もうと、一編なのだ。
人のあらゆる感情は所詮、書物の一編である。
作品にただよう虚構な感触、
書物の無機質さ、
一話完結のまさに紙を一枚めくっただけのなんたる儚さ。
私は改めて私の小ささを知った。
世の中は一人一人大事だと騒ぐ。
たしかに大事だ。だが、傲慢ではないか?
ただの紙片なのだ。
しかし、美しい。愛しい文が小さく、そして少なく書かれていた。
私の異解釈、そして内容の薄い感想を書くことを大変恥ずかしく、申し訳なく思う。
私の頭に流れる洪水のごとき思想をただ文字におこしたかっただけだ。
この作品は素晴らしい。
『ダンタリアンの書架』に敬愛を表して