アレク さんの感想・評価
2.7
物語 : 2.0
作画 : 3.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 2.0
状態:観終わった
個と全体の不一致
分割2クール目が始まるということでレビューを書かせていただきます、
まず原作者さんが元自衛官ということもあってか自衛隊の中の
重火器や備品がリアルで細かいとこまで描かれていて私はそこら辺の
詳しいところは全然わかりませんがガルパンの戦車の部分を思いおこしました。
あとはキャラクターがエルフや神官など特徴的で覚えやすくかわいかったです。
しかし肝心の内容というか作者さんはこの作品で何を伝えたいのかと
聞かれるといまいちよくわからないというか見えてこなかったです。
{netabare}初めに気になったのは6話でヘリに乗り重火器で侵入者を一掃するシーンです、
そこにあるのは文明の差にある圧殺のみで戦術的工夫やいわゆる俺つえー的
爽快感もなく自衛隊の皆さんもただ粛々と命令を遂行してるようで
釈然としませんでした、もちろん戦地ではそんな悠長なことを言っていられる場合ではないのは
わかりますが侵入者が攻めてくるまで時間もあったはずだし作戦を練る
合間にそう言った覚悟や葛藤を描いてほしかったです、
そうした部分がまるでないのでこの人たちは命令だから思考停止で
やってるんじゃないかな?なんて考えが頭をよぎってしまいました。
{/netabare}
{netabare}そんな考えがよぎったのは主人公の伊丹が仕事より趣味、プライベートを
優先し自衛官としての仕事は生活の糧を得る方便だという言動をとっていたからで
もちろん仕事にすべてを捧げなければ物語の主人公たり得ないとは全く思ってませんし
そんなこと言って手前は仕事に全部捧げてんのかといわれると返す言葉もありません
その通り・・・その通りなんですけどなぜ作者は彼を主人公としたのか
そして何を伝えたかったのか、これなら文明の歴然とした差に驚愕し
今までの強硬派から和平の道を探ろうとする小国の王女を主眼としたほうが
物語としては魅力的なんじゃないかと思いました。{/netabare}
{netabare}その後のGATEの向こうの世界に行った際の犠牲の責任を国会で追及されるシーンですが
ここも気になりましたね相手をまるっきりあほと見立てて話を進めいてるので、
もちろん追求する相手は現状をわかっておらず糾弾されても仕方ないですが
しかし主張があるならば堂々と言うべきで相手のものを知らないところを
あげつらうのは答弁のさじ加減がいくらでも変えられる創作物においては
下策なんじゃないでしょうか、それに相手が100%悪く自分をさらけ出すことなく
火の粉を振り払うようなかっこつけはできの悪いラノベでもよく見るので
その点も鼻白みました、もちろん思想を匂わさず娯楽に徹したいい作品もたくさんありますが
この作品は実際の組織名も出てるし異文化の交流と対立いう現実でも適用できる
題材なのでどうしてもそこらへんの主張をくみ取りたくなります、
ですがこの作品では伊丹はいまいち煮え切らないしほかの自衛隊員
にしても淡々と与えられた命令をこなしているだけで特に展望や自衛隊で
成したいことが彼らたちから感じられず盤上の駒だけを見せられて
それを動かす人物の戦略や頭の中身を見れない印象でした。{/netabare}