「無彩限のファントム・ワールド(TVアニメ動画)」

総合得点
76.1
感想・評価
1215
棚に入れた
6657
ランキング
740
★★★★☆ 3.6 (1215)
物語
3.2
作画
3.9
声優
3.6
音楽
3.5
キャラ
3.6

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ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

まったく親の顔が見てみたいぜ!

原作ライトノベルは未読。

人の願望により曖昧になった現実と幻想の狭間。
それらをライトノベルで長年、培われてきた萌えの文法、
ラッキースケベ、ラブコメの波動で切り込んで、
料理してみようとの試みが楽しい作品でした。

概ね各話完結なエピソードが続くため、大きなメインストーリーが決着する
カタルシスを感じられる作品ではありません。
よってどうしても地味な印象もありますが、
個人的には乳揺れやうさみみや水着回に、
こういうテーマ掘り起こしの機能があったとは!
と結構、感心しながらの視聴でした♪

萌えエロの典型を並べるだけでは凡作ですが、
テンプレも使いようで、まだまだ違う物を生み出すことができるようです。


萌えエロ以外に、ラノベにはもう一つ、
親の存在の希薄という伝統的なテンプレートがあります。
ティーンの読者層に向け作られたラノベの世界においては、
しばしば中高生だけで話が進み、不要な親はなかなか登場しませんw

驚異的な能力を持ったスーパー高校生ラノベキャラは果たして人類の子なのかw
稀に気にはなりますが、不安にはなりませんw

けれど本作の親の不在は、ともすれば高校生能力者の世界そのものの虚構
という疑惑に直結するので、かなりそわそわした気分にさせられました。

特にカービィーな玲奈ちゃんの躾が厳しいらしい父母は
話題には出てきますが、姿を見せてくれない意味深な対応w
(で、結局、出てきた父母は妄想上のうさぎ夫妻だしw)

終盤でようやく主人公の母親が顔を見せてくれて、
どうやら一応、彼らも人の子と考えてもいいようだ、と思えて来ました。
が、それまでは某ロボットアニメの幻体らしき、
アルファベットで構成されたキャラのシルエットもあって、
主要キャラ幻説が払拭できませんでした。


それでも尚、依然としてこの世界の構造は謎のまま。
全部幻かもしれないし、実体かもしれない。

謎は投げっぱなしのままですがw
ラノベの諸要素で虚実の区別がここまで揺さぶられたのなら……。
視聴者の常識の足場を崩した上で、リアルを問うという、
制作者の術中に私はまんまと嵌められたのかもしれません(苦笑)

【一話感想】ラノベのエロ要素で現実感を揺さぶる京アニの野心作?
{netabare}
長いので折りたたみw
原作ライトノベルは未読。

いや~お色気シーン凄かったですね~(笑)
凄く大きなおっぱい♪いっぱい揺れてましたねぇ~(*´∀`*)♪
……と私が興味持ったのは、そういう所ではなく?てですねw……

{netabare}巨乳、パンチラ、ハーレム……。
ライトノベルのエロ要素は主に紳士が創作した、
少年男子諸君に向けての夢世界ですw

現実の女の子があんなに乳を揺さぶるわけないしw
道を歩いていて早々、パンツを視界に捉える機会はありませんw
けれど悟った仙人はラノベなんだから楽もうと達観しますw
周りからあり得ないと嘲笑されつつも、
ラノベの萌えキャラはこうして夢と割り切られて消費されていくものですw

本作は、こうしたラノベのエロ要素の嘘臭さを、
現実を揺さぶるトリガーとして機能させる意図が感じられたのが印象的でした。

気になってアニメ雑誌をめくってみたら、
今後ハーレム的状況を含めた世界への疑念を示唆する記述があり、
「現実」とはいったいなんなのか「少しだけ」考えてみたい。
との主旨の監督の決意表明?が併記されていました。

(ただまずいと思ったのは、行間を読むに、
別に世界の謎を逐一明らかにしなくてもいいや、と思っている節があることw
真実は視聴者の脳内にあると開き直る懸念がwそうなれば迷作まっしぐらですw)

虚構の世界をほのめかす伏線としては、
世界の一部の“画像”が揺らいだりして視聴者に疑問を想起させるものが多く、
本作も冒頭からそうしたシーンがあります。
ですが本作の場合はどうやら胸を揺らすことでも
現実を揺さぶることができるようですw

けれど世間の反応を見るに、ウイルスで脳がヤラれ、揺れる部分が揺れる度、
世界に対して疑心暗鬼になり動揺している、
私のような手遅れな患者は、どうも少数派の模様(苦笑)

何か凄い揺れてるな♪までは多くの視聴者に伝わっているようですがw
そこから夢と現実の境目を想像させるテーマへの誘導までには、まだ至っていないようですw

(……まさかとは思いますが、まだ揺らし方が足りないのでしょうかww)

このままでは、多くの視聴者から、京アニが今更ラノベ・ハーレムの典型に乗っかり、
わけが分からないまま終わってしまった、と駄作の烙印を押されかねませんw
そこを今後、どんな展開あるいはエロで打開していくのかw
果たして揺れる巨乳は、星のカービ…いや、マンティコアな女子は実在するのかw

個人的には京アニがラノベをどう描くかよりも、
むしろどう『電脳コイル』や『ゼーガペイン』を描くかという観点で視聴を継続したい作品です。 {/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2016/04/05
閲覧 : 384
サンキュー:

37

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