プリングル さんの感想・評価
4.2
物語 : 3.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
心の叫びを伝えるには?
音楽が彩った素晴らしい青春劇です。
言葉がダメなら、心の叫びを伝えるには?
心の内を吐き出すために、仲間の手を借りて成長しようとする主人公の成瀬順に思わず涙してまいました。
ストーリーそのものは、登場人物それぞれにスポットライトを当てようとして物足りなさを感じたり、「そのキャラにそんなタイミングでそんな行動させてしまうのか」と首を傾げる展開もあり、正直手放しで良かったとは言えません。
しかしながら、ミュージカルのシーンは一見の価値があります。
「ここが見どころだ」、とスタッフの心が叫びが聞こえるような演出や音楽に引き込まれ気づいたら涙が出ていました。
『あの花』と抱き合わせのように宣伝されていた本作品ですが、『あの花』というフィルターを通して見るのは間違いであると思います。
どちらの作品も「1人の女の子」と共に、悩みを抱えた「数人の高校生」が活躍する物語という枠組みは同じですが、その中身は全くの別物。
『あの花』の登場人物は「めんま」に向けての悩みを抱えていましたが、
本作品の登場人物は個人的な、自分自身に向けた悩みでした。
『心が叫びたがってるんだ。』は『あの花』というよりも、矢口史靖監督の『ウォーターボーイズ』や『スウィングガールズ』のような作品で、むしゃらに何かに向かっていく高校生に胸を熱くさせられる作品であると思います。