どらむろ さんの感想・評価
3.6
物語 : 2.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
リアルロボット全盛期に挑戦したスーパーロボット。話詰め込み過ぎだけど中々熱い
OVA全3話のロボットアニメです。
当時「機動戦士ガンダム」からの「リアルロボット」路線全盛期の最中、若手スタッフが「70年代風のスーパーロボット」目指した力作です。
80年代的な美少女と、70年代的なスーパーロボットのカッコ良さが魅力でしょうか。
全3話に話詰め込み過ぎてストーリーは今一歩ですが、続編となる「破邪巨星Gダンガイオー」へのつなぎとして見るとまずまずかも。
{netabare}『物語』
マッドサイエンティスト・ターザン博士が生み出した4人の若き超能力戦士たちが、自分たちの記憶と自由を求めて、なし崩しで巨大ロボ「ダンガイオー」で悪の宇宙海賊と戦っていく。
展開が速くかつ分かり易いのは、このタイプのアニメとして観易いです。
4人各々の記憶と過去がドラマ性あり…
惜しむらくは尺が足りず無理に詰め込み過ぎている為、話が頭に入ってこないです。
…それでも3話(2話がいきなり総集編なので実質2話)で4人の最低限のバックボーンとドラマ描いたのは善戦したと言えるか。
1話のミア・アリス編が一番面白かったです。
強過ぎる能力を制御できない、心優しき美少女の苦悩と、故郷より仲間を選ぶ展開は萌えもとい燃える。
ライパルのギル・バーグの鬼気迫る執念…だが、ダンガイオーチームとは特に個人的な因縁が乏しいので彼の一人相撲に見えちゃう。
ここら辺も、もう少し丁寧に掘り下げていればもっと盛り上がったのでは(尺ないので仕方が無いけれど)
ダンガイオーチーム同士の絡みは最低限あり、激戦を共に戦い抜くだけでも友情に説得力はあるので、ここは良し。
…まあ細かい話は結構どうでも良くて、大切なのは専ら70年代風な熱いロボットバトルにあり。
巧みにオマージュ組み込まれていて見所十分なんですが…
生身の超能力がロボ戦で関係無かったり、ピンチ!からの必殺技だー!なカタルシスもそこそこレベル。
私的に、凄く盛り上がる!とまではいかなかったです。
総じて
全3話(実質2話)しかないのに4人のキャラドラマ盛り過ぎたかな~?と。
続編の「破邪巨星Gダンガイオー」はテレビ版で十分な尺あって面白いので、その前編として見るとこれで良いのかも。
『作画』
合体ロボ・ダンガイオーのカッコ良さが持ち味。
ここら辺ロボットアニメに詳しい人ならば真価分かる…のですが、私はそこまで燃えるほどでは無かった。
高評価なのはキャラデザで、80年代風な美少女絵可愛いです。
『声優』
声優陣は超豪華。
ゲッターロボなど数々のロボットアニメ演じてきた神谷明さんの、普段の意外と気弱少年キャラ面白かった。
熱血シーンは…意外と地味に感じてしまった。もっと神谷さんらしく絶叫して欲しかった。
ここら辺、最近の声優の熱演の方が上手かも…
荘真由美さん、岡本麻弥さん、松井菜桜子さんの美少女キャラやっぱり良いです。
故・青野武さんの老博士お見事。
MVPは千葉繁さんのシリアスなライバルキャラ。
大真面目に鬼気迫る迫力は必聴!
千葉さんはコミカルなイメージ強いですが、こういう真面目な演技もステキです。
『音楽』
水木一郎さん&堀江美都子さんの主題歌はこれぞ70年代風なカッコ良さあり。
評価迷うところですが、個人的にピンと来なかったです。
『キャラ』
少年1人に美少女3人、話数少ない割には最低限のキャラは立ってました。
唯一の男子のロール・クランはリーダー格…としてはちょっと影が薄い。
心優しいミア・アリスちゃんが一番可愛かった。
80年代に多いタイプの元気娘ランバ・ノム、武闘派のお姉さんパイ・サンダーも魅力あり。
ターザン博士は悪人かと思いきや…憎めない人物、最期はカッコ良かった。
キャラがブレてた感はありましたが…
敵は70年代的な王道な悪。
ライバルのギル・バーグの方がカッコ良かった。
鬼気迫る執念!忠誠心示す為に自らの片目潰すシーン…サツバツ!
千葉繁ボイスも相まって、良き好敵手でした。{/netabare}