おぬごん さんの感想・評価
3.4
物語 : 3.0
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 2.0
状態:観終わった
もう全部、櫻子さん一人でいいんじゃないかな
同名のミステリー小説をアニメ化した作品
ミステリー小説とはいえ元々WEBに掲載されていたこともあってか、
純粋な推理物というよりは、ラノベやジュブナイル小説のテイストも感じられた気がします
基本的には標本士で骨マニアの櫻子さんが、死体等の骨を手がかりに事件を解決していく1or2話完結のスタイルとなっています
事件自体はさほど難しくはないものの、日常に近い所で起こるものとなっていた点が特徴的ですかね
「骨を頼りにする」というスタイル上、どうしても過去に起きた事件を掘り起こすような構成になりがちですが、
そこは何件かのリアルタイムな事件を挟むことで、マンネリを回避していたようです
…それにしても旭川の人たち怖すぎだろ…w
ただ、探偵役の櫻子さんが、私にはどうにも合いませんでした
作中で櫻子さんは、骨にしか興味が無く、他人に対して尊大で無神経な態度を取るような人物として描かれます
ところが一度事件になると、骨や僅かな証拠から、被害者や加害者の心の機微までを詳細に汲み取ってしまいます
また櫻子さんの知識量は半端ありません
生物学である植物の知識や、理系である化学の知識があるのはまだしも、
1枚の絵画に、花言葉や百人一首を絡め複数の解釈を与えることができるほどです
もちろん、人の感情が分かっても他人と上手く接することができなかったり、大量の知識を持っているのはそれだけで変なことではないのですが、私はここに、何だか異様な「作られたキャラ感」を感じてしまったんですよね
甘いものが好きだったり、車の中で大音量でメタルを流したりするのもその例ですね
「ほら、こうしておけばギャップ萌えで魅力アップだろ~」的なあざとさを感じてしまい「いきいきとしたキャラ」には思えませんでした
あざといと言えば、主人公の正太郎もそうですよね
だってよりによって、正太郎ですよ、正太郎…w
また、上の櫻子さんの設定のせいで、物語としてもやや魅力を欠いていたように思います
というのも、何でもかんでも櫻子さんが一人で解決しすぎなんですよね
人の感情のことを櫻子さん以外の、それこそ主人公の正太郎が解いていくというような形にすれば、
2人を良いコンビとして描くことができていたのではないでしょうか
アニメを見た限りでは、正太郎はただただ事件に居合わせて狂言回ししているだけの、食いしん坊少年でしかありませんでした…
良かったところといえば、作画ですね
単純に絵が綺麗なだけでなく、田舎の陰鬱とした雰囲気が表現されていたりと、絵の美しさを有効活用できていたように思いました
またお祭りの回の雰囲気も良かったですね…と思って調べたら、絵コンテがあおきえいでしたか!
ミステリーとしては良いものを持っているのに、キャラ造形があざとく、
それでいてキャラを生かし切れていない
そんな印象を受けた、惜しい作品でした