Dica さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
最高傑作です
この物語を観て、多くの人が理解に苦しむのは
ピングドラムがいろいろな側面を持つモノだから、
そして、人がこの物語を観るとき、生きるという事に違和感を持たない為より難しい作品に見えるのかもしれません。
ここに恐らく正解に近いであろう考察を書こうと思います。
ただ100点満点ではないと思いますが、
{netabare}この物語ですべてをつなぐキーワードが
「運命の果実を一緒に食べよう」というセリフです。
運命の果実とはピングドラムであり、禁断の果実の事も意味しています。
アダムとイブが天国で食べたあの木ノ実です。
ひまりが最終話で息を引き取る際言っていた「生きるということは罰なんだね」というセリフ、
そう、生きるということは罰なのです。
だから生きるということは禁断の果実であるピングドラムをわけてもらう事。
その結果この世に生まれ、生きる事。罪と罰を分け合う事になるのです。
運命の果実は愛の果実でもあるので
夫婦の愛によってこの世界に生まれてくる命であり、
最後に陽毬と晶馬が、カンバに{与えられるもの」を考えた時
カンバからまわり廻った愛を返す事で、運命の輪を断ち切ったのです。
実利先生がやりたかった事、それは罪と罰を背負ったこの世界の人を救うために多くの人の命を奪おうとした。
そして桃花ちゃんは、誰かを選んで罪と罰(愛)を分け合う事でこの世界を救おうと考えたのです。
ピングドラムとは愛であり命であり、運命の果実であり、禁断の果実でもあるとても複雑な側面をもっています。
それを一つの言葉で説明するためにピングドラムと名付けたのでしょう
この物語には、死後のもう一つの世界があります。
「死んだらすべてお終いじゃん」
「違うよむしろそこから始まるって賢治は言いたいんだよ」
そうゆう事です。
哲学的で、罪と罰、愛や運命が1つに繋がる24話の壮絶な傑作だと思います。{/netabare}