oneandonly さんの感想・評価
4.2
物語 : 5.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
後半の化け方に魅力のある作品
世界観:5
ストーリー:8
リアリティ:5
キャラクター:9
情感:8
合計:35
桜舞う四月。高校二年。新しいクラス。目つきは悪いが普通の子、高須竜児は、ちっちゃいのに凶暴獰猛、“手乗りタイガー”と恐れられる逢坂大河と出会う。そして彼女の知ってはいけない秘密を知ってしまい―。それが竜虎相食む恋と戦いの幕開けだった!いつもにこにこ、超マイペース娘の櫛枝実乃梨、文武両道、勤勉実直、だけどちょっとずれてるメガネ委員長、北村祐作も絡み、どこか変なメンツによる恋はすんなりいくはずもなく…!?『わたしたちの田村くん』の竹宮ゆゆこ&ヤスが贈る超弩級ラブコメ登場。
(Amazonより)
1年目は恋愛モノということで敬遠していましたが、とても評価が高く、あにこれ上位20をクリアするために必須な作品ですので、視聴してみました。
序盤は、キャラの強引かつステレオタイプ的な設定に抵抗があったり(竜児はヤンキーのような顔だからといって、この性格ならあそこまで怖がられることはないだろうとか、大河は小柄の子が皆から恐れられる存在になることはないだろうとか))、斜に構えて見てしまったところがありました。舞台設定も平凡な学園ものですし、ありきたりなラブコメ感から繰り出されるリアリティのない演出でした。
その状況が1クール続いたので、切る人は切るでしょうし、低評価にしている人の気持ちも理解できます。
ところが、2クール目、{netabare}話数にして16話目の、殴り合いの喧嘩から物語が深くなっていきます。{/netabare}ラブコメでは、人間関係が進展しないままイベント等をたくさん見せつつ物語が進められることが多いような先入観があるのですが、この作品は、登場人物の複雑に入り組んだ心情をしっかりと魅せて、答えを導き出すように進んでいきます。
キャラの魅力も2クール目からどんどん上昇。{netabare}竜児は炊事・掃除が好きなところや、気配りや言動から本当に良い男だ認めましたし(これまで見てきたアニメの中で男性ではトップですね)。大河はかわいくなってきましたし、実乃梨も馬鹿のように明るい表層だけでなくその裏側も見せてきてくれました。{/netabare}
15話までは30ポイント=3.7点相当と、まずまずの作品という評価でしたが、そこから最終話まで駆け上がって良作の域に。あにこれ評価は伊達ではありませんでした。世界観とリアリティはそのままなので、私の評価ではここまででしたが、最終話にかけてのストーリーの盛り上がり、キャラクターの良さ、感情の揺り動かし方は素晴らしいものがあり、好きな人はとことん嵌れると思います。恋愛ものが苦手な方にもおすすめです(ただし、1クールは我慢かもしれませんが)。