岬ヶ丘 さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
これぞ、構成の妙だと思いました
原作は既読です。森見さんの小説は個人的に好きなのですが、少し癖があり好みの分かれるという意見も聞きます。ですがアニメ版は映像や表現で、原作を活かしながら、多くの人が楽しめる作品として成立していると感じました。
アニメは構成上、原作の主人公の「私」が所属するサークルや活動にアレンジがなされています。基本的に素晴らしいアレンジだと思いました。ただ、中盤の3人の女性?を取り巻くエピソードは、少し中だるみを感じたことは否定できません。が、最終話あたりの演出が素晴らしく、途中で挫折しなければ、この物語のテーマが理解できるのではと感じました。全体的に構成が素晴らしく、面白い試みだなと思いました。
「私」の大学生活はどれも無生産で、一見意味がなさそうに見えるけれども、賑やかでとても楽しそうです。けれど当の本人がなかなかそのことに気づかないのが、この作品の面白いところです。そんな彼が四畳半の旅の中で、それを悟るシーンが好きです。あとは樋口さんとの会話も、とても心に残る場面でした。
人生の節目節目で、何度も見返したいなと思える一作です。構成が複雑な部分もあるので、何度も見返すことで新しい発見があるかもしれません。