退会済のユーザー さんの感想・評価
3.2
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 1.0
状態:観終わった
意欲的な挑戦は◎、ただここまでキッチュにしなくても…
水島精二監督は挑戦的なアニメを作りたいタイプなのでしょう。
時系列を複数同時に扱いながらある時代に起こった事件の核心に迫っていくというアイデアは非常に評価できます。また1話1話でもオチをつけながら話を進めているので、時系列をどう扱うことでどこに面白さが生じるのかということもおそらく自覚されていると思います。
しかしながら惜しいのはやはりキャラクターデザインや色彩等、全体的な世界観の設定がかなりキッチュで子供っぽいところやテンポの速さのために登場人物(特にゲストキャラ)やエピソードに深みを感じにくい点です。本作は構成上何度か見返す必要性が出てくるのですが、このときに画面の子供っぽさが少々ネックになってしまいます。実際には深いメッセージ性を持っているはずなのに観る気を阻害してしまってどうにもそうは見えないのです。本作、ある程度若い人にもクールに映る世界(昭和の日本が舞台ならもっと写実的に表現するか、シャフト作品のような突き抜けたセンスを目指すか、あるいは妄言ですがいっそのことヨーロッパ世界とかにしてあからさまな時代ネタの暗喩をもっと分かる人にだけ分かる形で引用するのもアリかもしれません)で登場人物をもっと魅力たっぷりに描けていれば人気を得るのも容易かっただろうと思います。
余談ですが全体的にアカっぽいですね。学生運動の時代がモチーフで正義がテーマなので当然といえば当然ですか。個人的には嫌いではないです。