アレク さんの感想・評価
3.1
物語 : 2.0
作画 : 5.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.5
キャラ : 2.0
状態:観終わった
最強主人公現る
面白かったですね、それに爽快感みたいなのもあって楽しく視聴しました。
最初はいわゆる最近多い俺つえー的な作品に対する
アンチテーゼというか同ジャンルが氾濫しすぎた故に生まれた
メタ視点の作品だと思ったのですが話が進むうちにそれだけが魅力じゃ思うようになりました。
まず始めの1話で主人公のサイタマ自分が苦戦する夢を見て直後に貧弱な地底人が現れる、
この時点で主人公が苦戦することすらない振り切った最強主人公であるということが鮮烈に打ち出されます。
その後も侵略者や宇宙人が現れますが文字通りサイタマは
ワンパンチ、一撃で相手を葬り去ります、
そういう意味では主人公が現れるまで何とか持たせるアニメといってもいいでしょう(後半はS級ヒーローも加わり多面的視点が導入されますが)
それに物語のプロット的に言えばなんかやばい敵が現れ
それをヒーローたちが必死に食い止めようとするがかなわず
もう駄目だというところにサイタマが現れ一撃で解決
という筋が中盤までお約束で焼き直しといえばそうなります。
ですがそれで自分は退屈とか陳腐だとかは思いませんでした、
まず作画や演出の面ですが最初こそどうせ一撃で終わるのにそんなに作画に凝ってどうすんだと
穿った意地悪な目線で見ていたのですが、
力強くよく動き迫力満点の作画は童心に帰って見入りましたし
演出面でも効果音や構図がよく考えられてあり
「どうせ勝つんだろ」なんて感想が頭に浮かぶ前に
画面に見入るような演出は流石だと思いました。
それに無免ライダーの例でいうと彼の必死な叫びは胸が熱くなりました、
これは個人的にうまいやり方だと思うのですが
主人公がもう最強だと決まってる以上無免ライダーの叫び
といったものは主人公から聞けないと思うのですが
サブキャラである彼にスポットを当てることにより
力及ばないなりの必死な叫びを掬い取ることができ
主人公一辺倒に話が進むことで視聴者の共感を呼び辛く
浮世離れしすぎることを防ぐことに成功していると思います。
それにサイタマ自身が特別な宿命や過去を持っているわけでなく
趣味でヒーローをやってると公言してることでいい意味で「軽み」が生まれたと思うし
絶体絶命のときでも主人公の特性ゆえの妙な安心感があり
その安心感を背景に敵をなぎ倒すことで生まれる爽快感
深く考えるような問いかけを持った作品というわけではなく
レベルが高い娯楽作品だという印象でした。
ですが1つ不満というか不安があり2期もあるような終わり方でしたが
これからサイタマをピラミッドの頂点に据えた
戦争群像劇にするのかそれとも
メタ視点から生まれた作品だと思うのですが
それをいまさら王道に移行するのもなんか違うと思うし
主人公が強くなった理由をすでにギャグ的に披露した以上共感も呼び起こしづらいし作画や演出がいくらすごくても限界があります、
2期やるとしたらそのてんがどうなるのか別な意味で気になります。