ふりーだむ さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
青春恋愛短編小説
酒蔵の息子・仲上眞一郎は家業を継がずに絵本作家を目指している高校生。両親を亡くし眞一郎の家に同居する同級生の湯浅比呂美、眞一郎の幼馴染で今川焼き屋「あいちゃん」を切り盛りする一つ年上の安藤愛子、愛子の彼で眞一郎の同級生で親友である野伏三代吉。そして眞一郎たちの同級生で「変わり者」と呼ばれ敬遠されている石動乃絵。祖母の死以来泣けなくなり、涙を取り戻そうとする乃絵と眞一郎が出会ったとき、5人の揺れ動く心がざわめきだす・・・
2015年12月現在あにこれ成分タグ「もっと評価してほしい」ランキング5位、「恋愛アニメ」ランキング4位の作品。
高評価の作品ながら未視聴の為、今回視聴しました。
美しい画にのせ、田舎風景の中、5人の高校生よる切ないラブストーリーは進むのですが、、、、
個人的な感想は一言でいうと「いまいち。」
正直、見終わった後、スッキリしませんでした。何が終わったのかがわからなかった。
絵本、雷轟丸とじべた、乃絵の涙、比呂美の境遇と眞一郎の母、祭り、愛子の想い、乃絵の兄、、、、いろいろと伏線があるものの、それら一つ一つがつながらず、視点もまちまち、いったいこの作品は誰の目線で、誰の物語なのか、がぼけてる気がしました。逆に言うと全員の目線で描き、全員の物語ともとれる気がするのですが、少々内容が薄い気がしました。もっとその伏線に「物語での意味」を持たせていたら、作品自体に奥行きや重厚感もあったと思うのですが、尺の短さかもともと設定にないのか、それらが宙に浮いてしまった感がありました。
タイトルの「true tears」=真実の涙(でいいのか?w)。「涙」が物語の軸になると思いきや、結局のところ、乃絵も涙を取り戻すことより比呂美の涙をぬぐう方を選んだ眞一郎ですが、理由がわからない。比呂美には初恋、またはそれに似た感情があったと思う、一方乃絵には「心が震える」「君がいたから絵本が完成した」「君がいたから踊れた」みたいなことを言っていいるのだが(もはや愛の告白?)、普通に考えれば後者の方に思いがあるのは確かのように思える。比呂美も最初からの流れでは「報われない片想いキャラ」感が出ていましたし、最後の最後までどちらを選ぶかわからないような展開で、比呂美を選んでますが、この流れだと理由がわからないんですよね。はっきり言って「一時の気の迷い」としか思えない。意地悪な見方をすれば作り手側が裏をかいたがゆえに齟齬ができちゃった感じ?なのでスッキリしないのだと思う。
比呂美を選ぶなら、それなりに最初の絵本の件や、眞一郎の母が比呂美に冷たく当たる理由、比呂美の母と眞一郎の父の関係などもはっきりさせて「比呂美を選んだこと」への意味を持たせていれば、納得のしようもあるのですが。
それと乃絵の不思議ちゃん設定。これが個人的にいまいち気に入らない。天然設定の女の子がモテる設定は少々ウンザリ。アブラムシの歌も意味わかんないし、今のアニメの流れだと「不思議ちゃん強し」って感があって(さくら荘のましろとかw今作は違いましたがw)報われない方に目が行ってしまうんですよね。別に不思議ちゃんじゃなくてもいいんじゃないの?
なので感動も感想も少々薄くなってしまったように思います。
作品として、この先にもっと感動がある物語のプロローグのようにも感じました。それぐらい短くあっけなかった感じです。
ただ、「淡い恋愛短編」という風に見て、設定やら人物背景やらを考えなければ、良い作品のように思う気もしますが、ただそれ以上ではないと感じました。あにこれでの「もっと評価してほしい」「恋愛」の高評価には内容が薄い分、見合わないように思えた。
最近の恋愛やラブコメ作品って伏線や背景、設定を掘り下げてつなげて、いろいろな部分を重厚にして伏線を回収しつつ感動的なラストをつなげていくように思えるので、その点、この作品にはその部分が薄いように感じます。
全体的に見て美しい画やカット画を使って美しく仕上げてるものの、内容がそれに追いついてない感じ。
普通の「挿絵が綺麗な青春恋愛短編小説」を読んだような感じです。(○川次郎さんの青春小説のようなw)
私の恋愛経験が乏しいせいもあるのでしょうが(笑)個人的にこれよりもっと評価してほしい作品はあると思うし、もっと素敵で感動的な恋愛作品もあると思います。先に評価を見てハードルあげてしまったせいですかね(苦)普通の恋愛作品という感想以上のものは感じませんでした。
ちなみに私は「比呂美」派です。理由は、、、、、、、バスケしてる時のポニテが可愛いから^^