幽霊な校舎 さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
キャラは、スタッフが動かしている。
製作陣の経験とプライドが伝わってきた。
数ある物語では、地味な修行の話とかは話半分で、やっぱりスカッと成功している場面に焦点とかページ数を割く事が多いと思う。
それは、見る側の好感度を考えたら重要なことだけれど、
変な話、
現実は逆で、大半は辛いことが多くて、スカッとする結果はほんの少しだったりする。
そういう意味で、このアニメはとても現実に近い。
話によっては、生っぽくて重いと感じる事もあるけれど、
現実と同じで、努力の量だけ達成感が掛け算されるような、
作中のキャラクターの嬉しさが滲み出る感覚に、見ていて引き込まれる。
もう少し良い面を掘り下げて書くと、
製作をしている人たちの、2次元と3次元ぞれぞれへのポテンシャルが表れていると思う。
2次元のポテンシャルと書いたのは、
アニメ制作上のスキルの事で、クオリティがとても高く感じた。
・まず、絵が綺麗だった。例えば、女性服のデザインが素敵だった。
斬新な立体感を出すような、独特な雰囲気とかはあまり無いけれど、
場面に適した王道な見せ方を、着実に重ねていっている。
・また、キャラが良かった。1人の人の性格のカラーは1色じゃなくて、
嫌だと思ったキャラにも、共感できる一面があった。成長もあった。
・そして、話が重すぎたり、長々としたりするような部分では、笑える
ギャグや声優さんの演技で、空気を作っているように見えた。
・ストーリーの描写も、細かい所は素早く流して、でも大事な流れは
わかるように作られていると思った。
3次元のポテンシャルと書いたのは、アニメ制作の悩みとか、それに対する考え方とかの事で、
そうした生きていく価値観を、ひたむきに表現していた。
見ていて切迫感みたいな、辛いなぁって感覚がリアルだった。
その反面、放置されていて未解決な事はなくて、折り合いが取れた答えを必ず見つけていた。
どれもアニメ制作にとどまるものじゃなく、自分自身に重ねられる事も多かった。
こうして見るとベタ褒めしてるけれど、やっぱ好きだからしょうがない。
アニメをオタクの見るものだと言って、先入観を持ってる人でも、これをみたら驚くでしょ。