蟹チャーハン さんの感想・評価
2.6
物語 : 2.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 2.0
状態:観終わった
助手と外野がうるさすぎ、いろいろ残念なまま終わった
北海道は旭川を舞台にした推理&ミステリー作品です。
偶然みつけてしまった骨を手がかりに事件の謎を紐解いていく~。
主人公は洞察力に優れ博識豊かな令嬢の面影を残す櫻子さん。
中でも骨に関する知識は膨大で、人でも動物でも大きさと形を見れば、それが何かをピタリと言い当ててしまいます。
また、劣化具合や傷や傷み、変形具合から何が起きたのかということまで見通してしまう。
事件としては、埋められてうん十年たった骨の場合もあるので、いまその場で起きた事件というより、過去の秘密を暴くといった方がイメージに近いかも。
立件しようにも証拠としては不十分なものばかりで、自白しか手はなさそうだけど、まぁ、それはいいかw
で、たまに現在進行形の事件にも遭遇するといった感じ。
骨にまつわる事件を解決するというと、どうしても海外ドラマのボーンズであったり、小説だとアーロンエルキンズの骨探偵が思い浮かびます。
ただ、この作品は、一般小説とラノベの中間に位置するもので、雑学の知識と雰囲気を味わうものと割り切った方が気楽に楽しめます。
ボーンズのようなばりばりの科学ネタを提供するわけでもなければ、エルキンズのような骨に関する膨大な知識を提供してくれるわけではありません。あくまでさわりだけ、と思っていた方がいい。
推理小説としては、櫻子さんが安楽椅子探偵として、ほとんど証拠が出揃ったところで登場し、混乱の極みの現場を一刀両断するが如く謎を解決して唸らせます。
このアニメの惜しいところは、いくつかあるんですが、まず櫻子さんが骨以外のことにも造詣が深すぎて知識が豊富で洞察力にも優れているため、普通に名探偵チックすぎて骨に特化したドラマの印象が薄れていることが一番かな。
助手で高校生の正太郎くんの存在も惜しい。
彼は櫻子さんのワトソン的ポジションを勤めますが、その意味合いは作中でいろいろときちんと情報収拾をして、読者や視聴者に事件の背景から証拠を伝えるのが仕事のはずなんですが、多感な高校生ゆえになのか、やたらと感情的になって暴言を吐いたり正義感ぶりをみせつけたり、自称正論的なことを語るのに一生懸命で、どうにも横道にそれてばかりで働いていない印象に。
それなのに櫻子さんがスパッと謎を解いてしまうから、存在そのものが無用に思えるし、櫻子さんの名推理もご都合主義のように思えてしまう。
しかも最終話で櫻子さんのストーカーだったことが判明し、結局まともなキャラは婆やと巡査だけだったか・・・というオチつきでした。
たしか4話くらいまではおもしろいなぁ~と思ってみていたんですよね。おじいちゃんの見た風景といえば、視聴した人ならわかるでしょう。
人情モノ、日常系として、救いのないノワールな話しもあるけど、ほっこり系のエピソードもあるよと、これを繰り返していてくれたらお気に入りになったのになと残念です。