jethro さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
理屈のない真の正義とは
間違いなく今期No.1作品
かつてのヒーロー特撮ものは現代社会のセオリーに
当てはまらなくなってきているように感じます。
「正義」や「悪」といった勧善懲悪が成立しずらい現代社会
物語の構築も大きく変わってきました。
難しい社会問題をなんとか表現しようと
手を替え品を替え作られてきたように思います。
そのため複雑化した物語は問題作とは言われるようにはなるのですが
難解で多くの人の共感を得られる作品とは程遠いものでした。
一方で、子供向けに作られた作品などの多くは
フィクションという言葉に寄りかかって
矛盾点を無理矢理押しつぶし単純化しただけのものとなり
「正義」という本質をあやふやにしてきたように思えます。
本作は現代社会において矛盾をはらんだ「正義」という表現を
正々堂々と真正面から向き合い「本物の正義とはコレだ!」と言い放つ
気合の入った物語でした。
1話進行するごとに既存にある正義の矛盾点を一つづつ捻り潰していき
本質を明らかにする、そんな本物の娯楽作品でした。
ワンパン(1発)で勝負を終わらせてしまうなんて
娯楽作品としてはとくにバトルものとしては致命的な欠陥になりうる設定です。
ましてや
主人公が「のほほん顏」なんて、ただのお笑いです。
しかし、本作はこの設定をギャップへと引っ張り上げる
この牽引力の強さはハンパなく、「のほほん顏」の主人公が
本当にカッコよく見えてきてしまう
しかも、見ている視聴者が震えるくらいの高揚感をもって得られるカッコよさ!
世の中にはどんなに努力しても報われないことって多いと思います。
ともすれば、努力もなしに得られた成果の方が多いような気がします。
主人公のヒーローサイタマはそれを体現するような最強なのに底辺なヒーロー
普通のドラマであれば、徐々に認知され誰もが認める最強ヒーローとなるのてすが
本作では社会の不条理という壁によってさらなる底辺へと落とされていきます。
しかし彼の「のほほん顏」は変わることなく
自らの信じる「正義」に従って歩み続けます。
多くの正義のヒーローはこう言います。
「平和のために」「町のみんなのために」・・・
まるで理由がなければ正義は施行できない、そんなことを言っているようです。
「平和の味方」「みんなのヒーロー」
ヒーローは何かに寄りかかっていないとヒーローではないのでしょうか
正義ではないのでしょうか?
そして多数は正義なのか?
戦争は強大な戦力を持つものが勝利します。
果たしてそれは正義なのか?
主人公サイタマの姿を見ることによって
私たちは本物の「正義」と向き合うことになります。
追伸
20文字以内に簡潔にまとめることが出来なかったことをお許しください