要 塞 さんの感想・評価
4.8
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
剣術を極めし達人同士の戦いは・・・
ラブコメ展開ありのバトルもの?
といったところだと思います。
シリアスなシーンに、かなり力が入れられているので、
日常のラブコメ展開との温度差が激しくても、
締めるところは締めている、という好印象が持てました。
ストーリーにおいても、
いい意味で寒暖差があり、
そんなことしちゃうんだ!
といった物語の構成に驚かされました。
「剣」「バトル」「ラブコメ」
これらの要素は他の多くの作品にも含まれていますが、
この作品には、類似品と差をつけようとする工夫がみられました。
例えば、主人公の変に紳士的な態度、
メインヒロインほぼ固定?
有能なオカマキャラ、
じゃんけん野郎、
本格的な痴話喧嘩、
「剣客商売」的なノリ、
「華麗なる一族」みたいなドロドロ、など、
どれもこれもが、作品に味を出すために不可欠な工夫点です。
上記の工夫点が1~2点含まれている作品は、
今までも存在していたと思いますが、
この作品ほど詰め込まれることはなかったでしょう。
例えるなら、
厳選されたスパイスが使われているじっくり煮込んだ本格的なカレー、
ではなく、
美味しくなるように様々な具材を詰め込み、
家庭の火力で手際良く煮込んだ、
懐かしくて、うまい、そんな具だくさんのカレー!
変な例えになりましたが、
だいたいそんなイメージを持ったということです。
もう一点、
個人的に感動したシーンがありました。
最終回の決闘シーンです。
タイトルの通り、本来、達人同士の試合は、
一瞬で勝敗がきまると言います。
だから達人同士はなるべく刀を抜かない、抜きたがらない。
抜かないのが美学、的な考えもありますが、
私は、抜けば絶対にどちらかが死ぬか、
相討ちになるからだと思っています。
近年どんな作品を見ていても、
最終決戦だの、すごい戦闘シーンだの、と言われますが、
ぐだぐだと無駄に長く戦っているだけとも捉えられます。
その点において、
この作品の最終回の決闘が一瞬で片づいたのには、
本当に驚きました。
心の底から観たいと思っていたものを観れた感じです。
このような一瞬の美学をうまく演出する作品が、
もっと生まれる、発掘されることを、
心から願い、期待します。