アレク さんの感想・評価

2.9
物語 : 1.5 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態：観終わった

テンプレラノベアニメという評価は不当か否か

一時期量産型テンプレートラノベアニメの典型としてやり玉に挙がった作品ですがそんなことはなくジャンプ的な王道展開もあったりしてレベルの高い戦闘シーンやセンスを感じるアングルなどもあり面白く拝見させていただきました。
主人公の一騎は情熱的な性格なのですが表には出さず内に秘めるタイプで1話見ただけではわかりにくい性格なのでそれがやれやれ系に見えなくもないことがそのような評価に拍車をかけたのでしょう、
しかしそのような評価というかレッテル張り全部が全部的外れかというと私はそうは思いません。

まず序盤なのですが男性キャラに限って言えば絵にかいたような噛ませしかいなかったことです。
次に気になったのは一騎の家庭環境をはじめとする境遇です、これは物語の根幹にかかわることだと思いますがこのアニメで起こる事件のほとんどが一騎の力を認めない周りによる不当な迫害だということです、そしてそれに対する一騎の対応も正々堂々として見事なものでそれ自体文句を言うわけではありません、しかし何というか全体的にあまりにわざとらしいというかあざとい感じがします。
極端な言い方をすると実はすごい力を持っているが周りはそれを認めようとせずく一騎やステラは不当な迫害や妨害に果敢立ち向かっている図式を作りたがってるようにも見受けられます。
そしてそのような設定はどこかで見た覚えがありそれはいわゆる「異世界主人公無双系ラノベアニメ」ということです。

作品の根幹にかかわる設定がこのようなものだとヒロインの着替えをたまたま覗くとかテロリストが乱入するといった外部的符号以上に既視感を覚え十把一絡げ論じられても仕方ない部分も無きにしも非ずです。
一騎が登場時には厳しい修業を乗り越えたであろうが作中では初めから最強格で鍛錬の過程や壁を乗り越えるシーンが一切ないことも気になるとこです。

自分は何もしてないのに偉そうに散々文句を垂れたわけですがもちろん良いと思った部分もあるわけで、綾辻線ではお互い誇り高い騎士でありながらなりふり構わず汚い手を使う綾辻の必死さと高潔に騎士道を貫く一騎の対比が見事なものだったし一騎の初戦のでは実力はあると自負しているが認められないコンプレックスからくる緊張というものがよく出ていたと思います、
だからこそ惜しいあと一歩だという印象でした。
あとヒロインのステラは艶めかしく色っぽい作画も手伝って声優さんの演技もありかわいかったです。