退会済のユーザー さんの感想・評価
1.6
物語 : 1.0
作画 : 2.0
声優 : 2.0
音楽 : 2.0
キャラ : 1.0
状態:観終わった
人が変わったかのように雑な出来
僕は麻枝准の前作Angel Beats!に恨みはありませんでしたし、これまでのKanon、Air、CLANNAD、Little Busters!もなかなか楽しんできただけに少々心苦しいですが、本作はKey作品のみならず、アニメ全体でみても最低の作品です。ここは意見が分かれるかと思いますが、個人的には同社の作品であるグラスリップよりもひどいです。(ただ最低と言い切るのは本作が作画や宣伝に力を入れていたが故でもあります。本当に低予算で意欲もない作品は評価にも値しません…)
脚本・シリーズ構成の出来の悪さ、そしてそれに起因する映像の噛み合わなさ、これに尽きます。またこの出来の悪さというのが、実験的過ぎて伝わらなかったという類の失敗ではなく、ただただ薄っぺらいものであったというのがいけませんでした。正直なところ、僕の弟が幼少期に描いていた妄想マンガとどっこいです。主人公の成長物語とはいいますが、成長しているようで成長していなかったり、むしろ回によっては情緒不安定で後退したりを繰り返しています。キャラクターの人柄、信条や知能レベルが各話のさじ加減でちぐはぐすぎてまるで多重人格者です。そして彼らの心情の移ろいがとても唐突に訪れるのでシーンごとの人物の思考を推察することが困難かつ無意味です。脇役と脇道が時間を占め過ぎていて物語の中で効果的な役割を果たしていなかったために、主人公の心の機微をしっかり描くということができていなかったと思います。またそれだけでなく、重要な場面が分かっていないために取材がいい加減になり、主人公を取り巻く組織にご都合主義っぽさがつきまとったり矛盾が生じるという「ガバガバ感」も生まれてしまいました。
多少ご都合主義でも、説得力のある映像で物語を引っ張れる力を持った作品ならばそれで良かったのですが、本作にはそれもなかったかなと…(作画が崩れなければ良いということでもありません)麻枝准最大の武器である音楽にしても、Angel Beats!の岩沢の時のように、もっと効果的な形で物語に組み込めなかったことが悔やまれます。
このレベルになると脚本家だけでなく、監督や社内のスタッフは何をしていたんだという話になります。少数の社外カリスマ監督に依存した構造になっていなければ良いのですが。凪のあすからとかSHIROBAKOとか、良いときはすごく良いものを作るスタジオなのに…