かさい さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
撮影者のいないドキュメントテイストなミステリードラマ
作品全体で神戸監督を感じることができた演出。
総合:4.695/5
【物語】4.75
【構成】4.75
密室殺人事件を主軸にしたミステリー。構成は11話としてはかなりまとまっていた。シナリオは徐々に盛り上がりを見せ、終盤にかけてピークになる。全体的に難しく自分にとっては内容がかなり難解だった。
物語としてはかなり面白かった。衝撃的な場面も幾つもあった。しかし、分からない点、謎な点が多いため、自分の中で消化しきれてない要素が多々ある。何回か見直す価値はありそう。それぐらい内容的には面白味があった。
【作画】4.5
動く絵で見せるタイプのアニメではなかったことは多分間違いないと思う。
動かすといったら、必要最低限の動きと表情だった。キャラの芝居や仕草をもう少し凝ってたら面白さは増していたに違いない。
【美術】4.65
ギャングスタの甲斐さん。終盤、場面が切り替わる毎に背景も変わっていたので大変だったと思うし、クオリティも良かった。全体的にいい雰囲気だったし、特に海の近くの船の雰囲気は良かった。神戸監督のレイアウト力が光っていたのか。
【声優】4.7
少し外れたキャスティング。犀川先生役の加瀬さん中心に周りも知らない方で固められてた。特に加瀬さんの演技も声も凄くハマってたし、個人的にも好き。どのキャラにも人間味があって会話も凄く会話っぽかった。
【音楽】4.7
川井さん改めて凄いなと。
BGMをあえて挿入せず、会話だけを聞かせる静かなシチュエーションも度々見ることができた。
要所要所にあった見事な音楽だったと思う。
【演出】4.8
神戸監督はコンテの段階から凄く細かいレイアウトだし、演出指示もある。
今作全体で見れたのは、独特なリズムのカット割り、人物の身体全体をなるべく写すように意識されたレイアウト、無理のないアングル。自分が分かったのはこれくらいか。
基本というか、ほとんどがフィックスでカメラは動いていなかったと思う。意識させられたのはどこにカメラがあって誰をどの様に映しているか。
神戸監督は多分そこに動きは要求しなかったのだと思う。カット割りにもカットが全く切り替わらない時と頻繁に切り替わる時があった。
それも、違うアングルから映すのではなく、同じアングルを反復する様な方法。たとえ会話している片方の人物が画面に映っていなくても、まるで会話しているかの様に見えてくる。
しかしそこに距離感はないので、引きのショットは栄える。位置関係もより強調される。
【op&ed】4.7
opはロトスコ。edはよく分からない。何を表現してるんだろ。
曲は良い。雰囲気あってる感じ。でもそう思わない人も多そう。
最終話でもしっかりopとed入れてきたのはさすが。クセになる。
【世界観】4.7
世界観は現実に準拠。細かい設定、非現実的な設定、人物設定。原作力の強さを感じたし、非現実的な事をあたかも現実的に表現している事にも驚いた。舞台もしっかり出来上がってるし、世界観は良かったと思う。
【キャラ】4.7
設定は作り込まれていたけど、キャラが魅力的とは思えなかった。キャラのセリフの一つ一つが意味ありげで哲学的にも思えてくる。キャラで成り立つ物語で殆どが会話劇だけど、そこに魅力とかは感じる事は出来なかったかな。難しい。