どらむろ さんの感想・評価

3.7
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 3.0 キャラ : 4.0 状態：観終わった

異能バトル大会！？と見せて、大半は逆ハーレム群像劇。能登かわいいよ能登♪

恋愛アドベンチャー系の乙女ゲーム原作、全12話。
イタリアのマフィア（と言っても善良な自治組織）っぽい舞台で、ヒロイン（ボスの娘）と組織の幹部達（美少年美青年美中年も）との交流やドラマが繰り広げられる。
異能バトル要素は薄い味付け程度で、大半は美男子たちの過去の秘密を絡めてヒロインが交流していく群像劇。
乙女ゲー原作の逆ハーレム系ですが、ラブコメ要素は意外と薄いです。
逆ハーレム日常系6割、アルカナという異能にまつわる美男子たちの苦悩3割、異能バトルちょっぴりな感じ。

本筋のドラマは中途半端なので、ひたすらキャラ萌えアニメです。
ヒロイン・フェリチータ（能登麻美子さん）の可愛さと、個性的なイケメン男子たちに魅力感じられるならば、過度な期待は出来ませんが結構楽しめるかと。

{netabare}『物語』
地中海の小島を牛耳る組織「アルカナ・ファミリア」の幹部たちはヒロイン・フェリチータ（ボスの娘）含め全員、タロットカードに関係する異能「アルカナ能力」あり、1話初っ端からパーパ（組織のボス。構成員の父親的な意味でパパ）から「アルカナデュエロ」というバトル大会開催で優勝者にボスの座とフェリチータとの結婚を宣言される！
…おお、アルカナ能力者同士の異能バトル開幕だな！？
と思いきや。
2話以降はヒロインと美男子たちの平穏な日常系が続くのだった…。
まあ、バトル路線はあまり期待できないけれど、キャラドラマ中心の作風なのですな。

7話辺りから少しずつ物語が動き出す感じ…
それまで悪く言えば退屈かも。でも、美少女＋美少年ふたりが猫探ししたり、これはこれで微笑ましいので良し。
ここら辺は呑気にキャラ萌えを楽しむのが吉か。

7話以降、男子たちそれぞれの過去の秘密やトラウマを中心に群像劇が進行。
シリアス感もあれば、フェリチータ中心に和気あいあいとした雰囲気も。
各キャラを深く掘り下げるには些か尺が足りない感はありますが、最低限各キャラの魅力は伝わりました。

全体の流れとして「アルカナ能力を使いこなすために精神的に成長する」事が、主に若年組の課題として年長組から求められている感じ。
一見呑気な日常系の中でも、ちゃんと絆深めたり成長する要素あり、前半含め無駄な話でも無かったです。
…しかし、ヒロイン・フェリチータが（終盤の前までは）やや受け身なのが惜しい。
フェリチータの異能は、いかにもメンタルケア向きなのだから、もっと積極的に男子たちと関わってほしかった。
※BLゲーム原作アニメですが「DRAMAtical Murder」（ドラマティカル・マーダー）の主人公みたいな感じを期待してました。

もうひとつ。
ラストの異能バトル大会が…まさかのおざなりさにビックリ。
美青年トリオェ…ギャグなのかｗ
ま、まあ、ここら辺は本作がバトル系では無いと見れば許容範囲。
しかし、全編通して「精神的成長で強くなる」展開が、ここ一番で活かされてないので、消化不良な感じです。

色々と惜しい面はありますが、キャラドラマや群像劇は良い感じなので、総じて雰囲気は好きでした。


『作画』
フェリチータは中々可愛いくって好みです。男子たちもまずまず美形。
地中海の風景や、回数は少ないながらバトル自体はかなり良い。
…アルカナデュエロをちゃんと見たかった。

『声優』
能登かわいいよ能登。フェリチータ、近年なら早見沙織さんが演じてそうな役柄ですね。
割と珍しい役どころなのでは。能登ボイスで可愛さ3割増しくらいです！

マーマの井上喜久子さん、流石は大人の美女でした。

その他男性陣は流石に豪華、福山潤さん、代永翼さん、吉野裕行さん、杉智和さん、中村悠一さん、小杉十郎太さん、遊佐浩二さん、立木文彦さん。


『音楽』
OPはいまいちピンときませんが雰囲気は良し。
EDはリベルタ（福山潤さん）とノヴァ（代永翼さん）が歌っており、下手ながらキャラソンとしては分かり易い。

『キャラ』
ヒロインのフェリチータがかなり可愛かったです。乙女ゲーの逆ハーレムヒロインって、妙に可愛いです。
凛とした強さと可憐さ併せ持ち、奥ゆかしさと激しさ同居するナイスヒロイン。
…ただ、群像劇の大半は男性同士で完結しており、ヒロインとしては些か物語に対して受け身な印象も。
愛でられる系ヒロインの域を出ていない。
萌え的には無問題なのですが、欲を言えばもっと積極的な魅力が欲しかったです。

男子たちは、フェリチータと同世代の年少組2人、成年組3人、渋い大人組2人（パーパ除く）と各世代取り揃えており、年少組の青臭さから年長組の陰のある渋さまで魅力が多彩なのが良かった。
…ここら辺、男性向け作品よりも、世代の幅が広いのが女性向け作品の良さなのかも。{/netabare}