STONE さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
思った以上に(失礼)正統派成長ストーリー
2期視聴済みですが、未視聴の体で書いてます。
全体のざっくりした印象はアイドルものと部活ものを合わせた印象。
いわゆるプロのアイドルではそれぞれ専門職が行う曲作り、衣装作り、振り付けなど全てが
手作りというのがいかにも部活らしい。
作品世界においてはプロのそれより低レベルではあるのだろうが、逆に言えば全てにおいて
自己表現ができるということでもあるわけで、そういった手作り部分のドラマも描けるのが、
この作品の魅力の一つかな。
冒頭からいきなり廃校の危機が視聴者に伝えられ、このテンポでサクサクと進んでいくかと
思いきや、μ'sのメンバーが全員揃うまではかなりじっくりと描写される。
少しづつメンバーが揃っていく過程はバトルものやファンタジーものなどで主人公の仲間が
増えていく展開に通じており、なかなか胸を熱くさせてくれる。
展開自体は徐々にメンバーが増えていくものだが、メンバーになるキャラ自体は序盤に全て
登場させている。
最初から登場したことで各キャラが高坂 穂乃果らの行動を通して変化していく心情が
描かれ、そのことで各キャラの人となりが判るし、メンバーになることへの説得力が増すしで、
「キャラが登場して、すぐにμ'sに加わるを繰り返す」展開より好きかな。
中盤においてスクールアイドルの大会である「ラブライブ」の開催が発表され、タイトル
回収と共に、ストーリー展開の主軸となっていくが、まさかの出場辞退展開。
終盤の穂乃果の体調不良問題と、南 ことりの留学問題による重い展開は個人的には結構
好きだったりするが、「ラブライブ」自体の詳細が判らずじまいだったのはちと残念。
ただ、最後に学校で行われたライブは、同じ場所で行われた最初のライブがガラガラ
だったのに対しての満杯の状況で、μ'sがここまで愛されるようになったというなかなか良い
演出。
キャラに関してはそれなりにバラエティに富んでいるが、あまり際立ったキャラはおらず、
振り幅は狭い印象。
ただ、全体的にコメディテイストが強く、スクールアイドルを始めとする設定や世界観こそ
非現実的なものだが、ストーリー自体は割と地に足の着いた印象で、そういう意味ではあまり
突飛な設定や性格のキャラを出さず、ややリアルに寄せたキャラで正解かなという気がする。
穂乃果、ことり、絢瀬 絵里などはバックボーンが描かれたが、他のメンバーも同様に
見たかったかな。尺的に無理だったのだろうけど。
歌とダンスシーンに関しては正直なところCGによるダンスシーンはちょっと違和感は
あったが、しばらくすると慣れたし、むしろほぼ毎回ライブシーンが見られるというのが
楽しい。まあ、全て手書きだと時間的、経済的に無理だろうし。
楽曲に関しては王道アイドルポップスという印象で、ライバル?的存在のA-RISEが洗練
された感のあるダンスミュージックであるのが対比として面白い。
キャストは放映当時新人だった人も多く、演技的に稚拙なものもあったが、作中のμ'sと
同様に成長していく様が感じられて、それはそれで良かった。