セメント さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
待て、しかして希望せよ
予告の台詞が結構キーワードだったり
著名な復讐劇「モンテ・クリスト伯」を原作とする近代ヨーロッパを舞台にしたアニメになります。
エドモン・ダンテスを貶めたフェルナン、ダングラール、ヴィルフォール、カドルッスに復讐せんとフェルナンの息子・アルベールに近づき、ヴィルフォールの実の息子・アンドレアを焚き付け、復讐を成就させるという流れですね。
宇宙進出などSF要素も加味されていたりするのですが、やはり名著を原作にしているだけあって、ストーリーの運びは整然としていて分かりやすい。
さらに煌びやかなアニメーションが加わって見るものをあっと言わせる作品に仕上がっています。
「カレイドスター」や「LAST EXILE」など"GONZOの奇跡"と呼ばれる作品群の中に入ってますね。
監督は前田真宏さん、「DAICON4」以来ガイナックスの設立までに携わってきた方ですね。
1992年に村濱章司さんらと共にGONZOを立ち上げ、以降GONZO作品に多く関わっています。
キャラデザはガイナックス関係の繋がりから松原秀典さんが担当しています。
このキャラデザが非常に特徴的で、その服飾はまるで絵画のように綺麗です。
あのアナスイが興味を持ったアニメでもあり、そのことを聞きつけた前田監督がアナスイをオファーし、実際に最終話のメルセデスの衣装デザインに参加しています。
「ソルティレイ」や「ヘルシング」などGONZOアニメで主役がおじさんといったら中田譲治さんが声あててるイメージです。
本作においてもモンテ・クリスト伯爵の声をあてています。
アルベール役に福山潤さん、友人のフランツ役には平川大輔さん、アンドレア役に関智一さんが入っていて実力派揃いです。
復讐相手のフェルナンに小杉十郎太さん、ダングラールに辻親八さん、ヴィルフォールに秋元羊介さん、カドルッスに飛田展男さんと渋いです。
ん?よくよく考えたら秋元さんと関さんって「Gガン」繋がりすぎる・・・
OPもEDも作詞・作曲・歌手全て外国の方が担当している純粋な洋楽アニソンです。
実は純粋な洋楽アニソンって少ないんですよね、それっぽいのは大体菅野よう子さんが担当してたりと。
OPもEDもってなると本作の他に「花田少年史」くらいしか思いつきませんね。
ちなみにOPはラブソング、EDは恨みの歌となっていてストーリーに沿っています。
EDのメロディーのまま予告に突入する演出も良かでしたね・・・
"決して誰も恨むな。愛する気持ちも憎む気持ちも、最初は人を思う気持ちから生まれたのだから。"
フランツのアルベールに対する台詞なのですが良いものです。
前半は大人しい作品なのでちょっと退屈してしまうかもしれませんが、後半の盛り上がりに繋がってますので安心していいと思います。
GONZOの奇跡をまさに代表するアニメとしていいでしょう。