蒼い✨️ さんの感想・評価
4.7
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
太陽の下の海村の癒やし。
アニメーション制作:キネマシトラス
2014年7月 - 9月に放映されたTVアニメ。
都会から島流しにあったような心境の青年と、
自然あふれる五島列島の島民のふれあいが描かれた作品。
地図で見るとわかるのですが、長崎県本土から海を隔てた100キロ西。
原作者が地元出身で、今も五島で漫画を描いて生活をしているみたいですね。
この作品は、あにこれでは高評価レビューが多いものの、
実は私は、サムネを見る限りつまんなさそうに思い込んで放置していました。
サムネで青年の首に腕をひっかけてる子供(なる)を男の子だと思っていましたしw
ある日、実はあれは女の子だと知ってからOPだけを観たのですが、
主人公の青年の家の扉を身体全体を使って開ける少女(なる)の動き。
元気に駆けずり回る姿が小動物みたい!
墨だらけになって両手を差し出す時の屈託のない笑顔!
あれ?可愛いじゃないの?
OPアニメの出来の良さに視聴決定に心が動きました。
このお話のプロローグ。
高名な家元の子息で書道界の新鋭・プリンスとしてチヤホヤされていた青年書道家・半田清舟は、
書道展示館の館長から自分の作品を酷評され天狗の鼻を折られた衝動から、
館長を殴ってしまい、父親から命じられて謹慎・反省・自分を見つめなおすために、
東京から五島に引越して一人暮らしをすることに。
(思わず手が出たのも、清舟の心が弱い上に指摘が図星過ぎていたからですが)
この半田清舟という青年、実に書道バカと言える人種。
才能あるイケメンなのですが、世間知らずでちょっとイタイ性格。
都会育ちでお坊ちゃま気質の清舟には、島での生活は何もかもが初めての経験であり、
実にポンコツぶりを見せつけてくれて、笑わせてくれます。
そんな清舟も、もう一人の主人公で明るく元気いっぱいな小一の少女・琴石なるから懐かれたのを始め、
のんびりとした村の温かい人々との触れ合いで、少しずつ変わっていきます。
さて…このアニメを観た感想です。
『お兄ちゃ~ん!(ふりふり)』な媚びた幼女が、一昔前のアニメには結構存在していた気がしますが、
馴れ馴れしくも大人にタメ口、大人にはないバイタリティ、おバカだけど好奇心旺盛な探究心。
自然体に近い感じでして、この作品の子供の描き方は満点と言えるでしょう。
ジブリではよく使われる子供の声には子役を充てがうという手法が実にハマっています。
なかでも、琴石なる役の原涼子さんの声が抜群ですよね。
大人がどんなに上手に演じようとも演じるというのは作りものであり、
大人には出せない純朴さが本物の子供の声にはあります。
ていうか、実写で観た原涼子さんの喋りが、なるの声でしたしw
例えるなら、なるは晴れた日に干したお布団みたいなあったかい子?
中二のボーイッシュで元気者な美和と漫画家になりたい眼鏡っ娘の珠子。
高三で金髪に染めてみたもの中身は気さくなお兄さんの浩志。
小一でなるの親友で泣き虫な陽菜。
清舟と絡むことの多い未成年達はみんな個性的で面白くて、
観ていて全く飽きませんでした。
おじさんやらおばさまやら爺様婆様やら村の大人たちも勿論良いですけどね。
この作品は、お年寄りをすっごく大事にしてて観ていて和みます。
あと、方言をこれだけプラスにした作品を他には観たこと無いかも?
このアニメ全12話は、村の人々との生活を通じて、
清舟の心の角が取れていい字が書けるようになった。
ただそれだけの物語なのですが、
人の心には出会いや環境は重要ですよね。
なんでもない平和でのんびりした暮らしを過ごすにも、
ちゃんと世の中に出て人と触れ合うことによって、
心が磨かれて丸くなっていく。
これって人生を気持ちよく生きるための理想像。
アニメの中の五島は最適な環境であり半田先生が羨ましくなったりして、
そういう場所を現実で見つけられた人は幸せだなと思ったりと、
考えさせられるとこがありました。
もし続編が出来ましたら、絶対に観たいと思いました。
これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。