セメント さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
ガッチャ!
俺たちの名は、この星を守る翼、ガッチャマンだ!
「ガッチャマン」が実に33年ぶりに帰ってきました!
とはいえ旧作とは全く世界観を異にする作品です。
「夜ノヤッターマン」とかタツノコプロの過去アニメが世界観を変えて深夜アニメになるケースが連続してた印象です。
さて内容に関して、スマホに依存した社会、SNSに支配された世界、今ってまさにこんな感じじゃないですかね。
私もスマホを数年前に手にしてから随分と便利になったと思う事が多数あります。
まずトイレで暇をしないですね、それから路線検索、地図検索なんかもさらっと出来て、人生のロスが減ったような気さえします。
それからSNS、私もついついやってしまっています。
今は流行ですよね、あぁいうソーシャル系のツールというのは。
"良い行い"をした人は拡散されてみんなで褒めて、"悪い行い"をした人はみんなで貶して。
そういう社会の中で、人の心がどのような動きをするのか?
大きなテーマが描かれているアニメだと思います。
監督は中村健治さん、最近はノイタミナの顔になりつつありますよね。
「怪~ayakashi~」「モノノ怪」の印象が強いです。
高橋裕一さん、橋本敬史さん、 田中宏紀さん、江畑諒真さんなど絵作りが特徴的で旨い方が多数参加されています。
そのため非常にアニメーションとしての出来がよく感じますし、見やすいですね。
「タイバニ」を思わせるGスーツはCGなんですが見事に融合していたと思えます。
声優さんは結構良いですね、特に主人公のはじめちゃんを演じる内田真礼さんはなかなかです。
軽い口調で何を考えてるか表面上は分からない癖のあるキャラなんですが上手い事演じられていると思います。
その他合っていると思うんですが、一つだけ、パイパイ役に平野綾さんなんかは大きく出たキャスティングですよね。
この頃スキャンダルで大変でしたし「物語」シリーズとかでは声優の変更騒動なんてのもありましたからねぇ。
まぁ全然悪くなかったと思います。
OP「Crowds」はかっこいいですね。
ED「INNOCENT NOTE」なんですが、これが奥深いです。
はじめちゃんという本作の主人公、天然でちょっとズレたところがある女の子と認知されてるんですが、その実は色々と思考を巡らせていて物事の本質を捉えようとする冷静さを持っています。
発言には迷いや戸惑いがなく、かなり人格が完成されたヒーローとして描かれているのです。
常人では発想が追い付かない、だからこそ、ズレて見えるという。
話が進んでいくと次第にキャラが見えてくるんですが、最も現れているのがこのEDなんです。
この曲、まさにそんなはじめちゃんの内心を歌っていて、歌詞を吟味すると思慮深さを体感できると思います。
なんにしてもジョーさんが熱い!
10話なんかは捲し立てるような勢いがあってアニメ史に残るような熱い回だったと思います。
"かっこ悪ぃ...かっこ悪ぃなぁ俺...かっこ悪すぎるぜ..."の台詞は痺れました。
ガッチャマンの面子はそれぞれキャラも立ってていいですよね。
ガッチャマンの真似して、スマホを持って"アムネジアエフェクト"ってやりたくなっちゃいますよねー。
はじめちゃんとカッツェが融合した終わり方なんかも秀逸だと思います。
カッツェは人の心に生まれる悪意、倒すことは出来ない。
はじめちゃんはそんな悪意と共存していく道を選んだという深い結末だと。
どうやらBDの最終話の拡大版が収録されてるみたいですね、それ見ればさらに深められるのかなぁって感じです。
BDが1巻で全話入っててしかも安いんですよね、質アニメ好きの後輩で買ってる人が居て、今度見せてもらおう。